中学受験で親がすること、すべきでないこと

勉強机

中学受験向けの進学塾の新学期は、2月か遅くても3月です。そろそろこの時期に向けて、中学受験との向き合い方を考えるご家庭も多いでしょう。巷には「親がするべきこと」という情報があふれていますが、私の経験からすると、すべきことはシンプルだと思います。

1. 親がすること

中学受験の受験勉強に臨むのは、小学生です。
12歳にも届かない子どもがするものですから、親のサポートというか、リードと言うのは確かに要ります。

とはいえ、そんなに奇をてらった「受験術」があるわけではありません。
誰でもしそうなことを、我が子に見合った方法に落とし込むのが大事なのです。

1.1  塾を選ぶ(転塾もあり得るので、できれば4年生)

金銭的な余裕など諸事情にもよりますが、進学塾には4年生から通うことをおススメします。

我が家の場合は、新4年で通わせ始めた塾ととことん相性が悪く、秋になって別の進学塾に転塾しました。

4年生は、まだ「塾に通うことに慣れる時期」ですので、転塾してもそれほど問題は起きませんでした。

「転塾」の可能性を考えなくても、上記のように、塾と言うシステムに慣れる時間は必要だと思います。

通塾に慣れることを具体的に言うと…。
「一番効率的な通塾ルートを把握している」「教室に入ったらするべき手続きが分かっている(安全のためIDカードをかざしたりします)」「受付の誰がどんな役割か知っている」と言った細々としたことなんですが…。

5年生から本格的に受験体制なので、5年生から通塾を始めるご家庭もあります。
ただし、その頃の周囲の皆は、塾に通う習慣を身に着けています。
5年生からのスタートだと、上記の雑事レベルで不慣れなのがネックです。

本格的な受験体制では、小学校で習う内容とかけ離れた授業内容を、かなりの進度でこなします。
(4年から通っていたお子さんでもちょっとしんどい時期です)。
4年から通塾して余計な負担を避けた方が、無難な選択だと言えるでしょう。

なお、全く学習塾に通うことなく、超進学校に合格したお子さんもいらっしゃいます。
そうとう地頭が良いのでしょうし、そこは羨ましいのですが、中学進学後思わぬトラブルが。

お母様によると、進学先の超進学校の学習スタイルに馴染むのが辛いとのこと。
お子さんは「塾に通って勉強すること」が嫌だったのだそうで、進学先の中高一貫校の勉強のさせ方が「課題が多くてまるで塾みたいで嫌だ」とのことなのです。

うーーん。
私立の進学校は、学習塾と公立学校の中間…いやどちらかと言えば塾や予備校に近いところがありますから…。
そして、大半のお子さんは中学受験用の塾で長時間机に向かって大量の課題をこなすのに慣れており、それが当たり前と思っているので中学以降もその調子というか…。

そのお子さんはきっと「一を聞いて十を知る」ほどに賢く、学校が生徒に一律に課す内容や授業の進め方が、天才肌に合わないのでしょうか…。
全く塾に通っていないと、中学進学後にカルチャーギャップを感じることもあるかもしれません。

1.2  通塾のサポート(会話も気を遣う…)

中学受験で「親があれをしなくては、これをしなくては」と世間は煽ります。
いやいや。
本人に合った塾に通わせているだけで、合格およびその後の学校生活の道筋をつけるという作業は出来ているんです。

現在通塾中のお子さんがいる、周囲でそういうお子さんを見てきた方はご存知でしょうけれど。

塾に通い続けるのだって親のサポートは必要です。
プリント管理や、お迎えなど、相手が小学生だと親の出番は多いです。

あと、会話も気を遣いますね。
心理面で前向きに明るい気持ちをキープできるよう、親の振る舞いも気を遣います
「お母さんは女優になれ」とよく言われますね。

我が家については結構壮絶なバトルになってましたけどね…(苦笑)

我が子が通っていた塾は、「ご家庭でまで勉強勉強と言わないで下さい」とおっしゃるところでしたが(後述します)、「ご家庭の会話で学習に結びつくような内容を心がけてください」とはお願いがありました。

算数については、設問でミカンや子どもの体重を聞かれているのに何千㎏ということはありえないので、大体どんなものがどれくらいの重さか実感させてくださいとのことでした。

社会の農作物の産地は、スーパーに一緒に行ったときとか、夕食時に「今日はオーストラリア産の牛肉だよ。牛肉の主要輸入国だね」とか。

理科も、塾の帰り道の夜空に浮かぶお月様を見ながら、どの方向にどんな形とか。

もちろん「親子の楽しい語らい」としてですよ。
いかにも「受験テキストの復習ですっ」といった感じだと、親子ともにツライですよw

1.3 可能な限り多くの学校の見学を!

4年生から中学受験を考え始めた頃には、具体的に「○○中学、ゆずっても□□中学」という夢はおありかと思います。

我が家もそういう時がありました(遠い目)

ただ、お子さんが思い通りの偏差値の学力を身に着けるとは限りません。
また、その学校が、お子さんの個性に合っているとも限りません。

「○○と譲っても□□、その他の中学は全部似たようなもの」という認識で高学年を迎えるのではなく。

本命以外にも幅広い学校群を候補に入れて。
学校の催す説明会、部活や授業の見学会、立ち入り可能なら文化祭などの学校行事に可能な限り足を運びましょう。

〇〇や□□だけでなく、△△はこんな学校、◇◇はこんな学校と、より多くの学校を見ておいた方がいいです。

どこが良くてどこが物足りないのか考えることが(物足りない点を子供に伝えるかは慎重に)、本当に我が子に合った学校はどこなのか、ひいては自分たち親子は何を求めて中学受験をしようとしているのか、しっかり考える機会となります

この「自分たちは何故受験するんだろう」って、受験直前、合否が決まって入学直前、それから入学して学校生活が軌道に乗るまで、さらには中学進学後学校でトラブルがあった時にも、様々な局面で思い返すことでもあるんですよ。

とても重要です!

ちなみに我が家も。
我が子の学力で無理せず入れるところ…と中堅校を歩き回って、「ここだ!」と思える学校に巡り合えました。
昔の評判はあまり良くないところですが、実際に何度も足を運び、ここで良かった!と思える良い学校が見つかりましたよ。

2. 親がすべきでないこと

親子バトルはすべきじゃない…って分かってても、しちゃうんですけどねw
分かっているけどやってしまいがち。でも、分かっているかどうかで、酷くなりすぎたり、将来に禍根を残したりする度合いは減ると思いますよ。

2.1 細かな学習管理は「しない方がよろしいですわ」

塾の先生にスッパリ言われました。

うちの子は自分で学習の管理ができなかったので、私が、模試の結果を見て「つるかめ算で点を落としてる。じゃあ、テキストの〇ページの基本問題と類題を」「理科の植物が覚えていないのでテキスト〇ページの写しを」とかメニューを組んでいました。

塾の懇談会で、私が「母親の私だってこんなに頑張ってるんです!」と、一日あたりの課題メニューをお見せすると。
(A4を4つ切りにしたメモ用紙に列挙してました)

塾の先生「こういうのは、やらん方がエエですわ」と。
なぜなら「自分で勉強しなくなってしまいます」と。
6年生の夏頃だったかと思います。

それ以前に塾とは信頼関係ができていましたし、我が子はこの夏から自習室で過ごすことが増え、本人なりに受験問題を攻略しようという意識も芽生え始めていました。
そこで、この先生のおっしゃる通りに、少なくとも私が1日単位のメニューを作成することはやめました。

この塾で保護者会や懇談会のたびに言われたのは、「偏差値や得点を見て『頑張れ』と叱咤激励するのは塾でやります。時には厳しすぎて泣き出すお子さんもいるかもしれません。その分、ご家庭では『よく頑張ってるね』と優しく温かく包み込んであげて下さい」という言葉でした。

ある関西の塾で講師経験のある教育ライターの方も「母親まで敵に回らないで欲しい。我々塾講師は憎まれ役で構わない。受験までのせいぜい2~3年の付き合いに過ぎないのだから。でも、親子関係は受験の後も何十年も続くのだ」と書いていました。

細かな学習管理、それに伴う「○○がまだできてないじゃないの!」的な叱咤などは、塾にお任せして、親が手を出すのは控えましょう

それで何か受験に問題があっても、それは塾の責任です。
お母さんのせいではありません。
何十年も長きにわたる親子関係を損ねてまで、目先の進学先に入るかどうかのギリギリな生活をするべきではありません。

2.2 第一志望以外の学校の悪口を言うこと

親子関係が破綻するほど追い詰められなくて済むように。
進学先の選択肢は広めにとっておきましょう。

先に述べたように、幅広く数多くの学校を見て回り、いろんな学校の良さを親子で話し合っておきましょう。

先ほどは、いろんな学校の長所と短所を突き合わせることで、我が子に合った学校選びや中学受験の意義が明らかになるのだと書きました。
ただ、お子さんに対して学校の悪口になるようなことは言わないでおきましょう。

理由は。

まず、残念ながら第一志望に届かず、第二志望以下の学校にも進学する可能性だってあり得るからです。
6年間の新たな中学・高校生活のスタートが、「こんな学校」「こんな奴ら」と周囲を見下げるようなものであっては百害あって一利なしです。

志望したからには、何らかの「良さ」があるはずです。
長所短所を見比べる際にはあくまで冷静に。
そして、最後まで、他の学校には他の学校の良さもあることも親子で頭に入れておきましょう

めでたく第一志望に合格して通うことになったとしても。
よほど生活圏が離れていない限り、中学以降に学外で通う塾・予備校や、街角、電車内でかつての友人と顔を合わせることだってあります
お互いに気分よく近況を語り合いたいものです(変にマウンティングするのではなく)。

また。
どんなに東大・京大などへの進学実績が高かろうとも、制度上それらの付属でないのですから、これらに進学できるのは成績が上位でなければなりません。

中学受験の時点で難関校に入っても、中堅校の優秀層に逆転されることはよーくあります。
中学受験の時点の序列を引きずって生きていくのは、自分にも他人から見ても良いことではありません。

まとめ

中学受験で親がすることはシンプルです。
塾を選んで、モチベを維持させつつ通塾生活をサポートし、あちこちの学校を幅広く見て回って親子で良―く話し合う。

書いてみると本当に当たり前なんですけどね。

特に最後のあちこちの学校を見て回って、自分たち親子が何を学校に望むのか、なぜ中学受験をするのかしっかり考えておくことは、後々重要なので再度強調したいと思います。

ホント、小学生で中学受験を決めてから、中高一貫校を卒業して大学受験に臨むまでいろいろあります。

受験直前に併願をどう組むか、合否後に入学に向けてどう心構えをすべきか、入学直後に思い通りでないことが起こったときにどう乗り越えるのか、さらには何年か後でも「学校が嫌」と感じたらそこからどうするのか、「なぜ中学受験してこの学校を?」という問いはずーっと付きまといます

塾に通いながら、志望校選びにじっくり取り組みましょう。

やらない方がいいのは、細かく口出しして、そしてその結果として細かく叱りつけてしまうこと。
叱咤激励は塾にやってもらいましょう

いやー。我が家も平静とは程遠かったんですけどね…。

あと、第二志望以下の学校の悪口はつつしみましょう

自分が行くかもしれないし、そこに進学したお子さんともお付き合いがあるでしょう。
中学受験の序列をずーっと引きずっていても、あまり良いことはアリマセン。
次の大学受験でも、その後の人生でも。

以上はあたりまえのことなんですが、それが揺らいでしまうのが、煽られがちな「受験生の親」と言う立場

皆さんも良識がおありで、重々ご承知だと思います。
これを読んで、少し気持ちを楽にして、本当にすべきこととしちゃいけないことを思い出して頂ければと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました