小学生の漢字学習…とても苦手なお子さんはどうしたら?障害の可能性と工夫とは?

字を勉強している子

小学生から漢字の学習が始まります。漢字学習が苦手なお子さんはどうしたらいいでしょうか?発達障害、学習障害、書字障害などの可能性を視野に入れつつ、その前に家庭でできる工夫はないでしょうか?ウチの発達障害疑い濃厚な我が子の例を基にお話します。

1. 障害の可能性を視野に入れつつ、家庭でできる工夫をトライ

「漢字が書けない」「漢字学習が苦手」の背景には、生まれつきの障害の可能性もありえます。

生まれつきで仕方がないのに、漢字学習を根性論で「〇回書きなさい!」と課題を押し付けるのはよくありません。

とはいえ、「障害だから仕方ない」と「根性論」の間には、いろんな選択肢があります。

漢字の習得のしづらさによっては、傾向と対策はあると思います。

うちの子も発達障害の可能性が濃厚で、漢字も普通の学校の勉強だけでは上手く行きませんでしたが、工夫で中学受験の合格レベルまで何とかなりました(中堅校なんですが)。

2. 漢字を正しく書く意欲はどうですか?

そもそも、漢字を正しく書かなければならない、という認識が薄いこともあります。
ええ、ウチの子です…。

ウチの子の漢字の認識も独特で、「漢字の正しさ」がどういうことか分からないようでした…。

小学2年生になろうかという時期でも、漢字の中の「□」=「口」という字や「国がまえ」を、一筆書きで書いていたのです。
四隅が角ばっていると、パッと見たところ普通に「□」に見えてしまいます。
本人は「正しいつもり」で、親も先生も見落としていました。

この時点で母の私が危機感を持ち、慌てて漢字ドリルを購入してやらせてみました。
しかし。
子どもは思いもかけない反発をしました。
漢字ドリルの「ここはハネろ、ここは止めろ、ここは突き抜けろ」などの指示がうっとうしかったようで。
「ママ、僕はもっと自由に漢字を書きたい」などと言うのです…。

そもそもの「漢字には正しさがある」という基本から分かってない…。

漢字が苦手のお子さんの中には、個々の漢字のルール以前に、漢字にはルールがあるという認識が薄いケースもあるかもしれません。

では。
そんな小学生低学年児童に、どう言い聞かせればいいのでしょう。

ウチの子については以下の2つを説いてみました。

息子は幼稚園の頃から交通標識などのマークや記号に興味がありました(図書館でしょっちゅう図鑑など借りていました)。
そこで、文字と言うのは記号の一種であり、決まりを守って書かなければ伝わらないと言ってみました。

交通標識の「歩行者専用」は、青い丸に親子ずれのシルエットと決まっています。
交通標識がルールにのっとって意味を伝えるように、漢字もルールで決まったように書かなければ意味が伝わらないと説明したのです。

また、漢字の「未」と「末」の違いを説明しました。
「未」では、まだ起こっていないこと、未来を意味します。
「末」では、終わりや最後と意味します。
一本の線の長短で正反対の意味になる例を挙げ、漢字はそれぞれ正しい書き方があること、それを守らなければ別の意味の時になることを言い聞かせました。

これらの説明が功を奏したのか、ウチの子も最低限、漢字には正しさがあるという意識は持てたようでした。

3. パーツの組み合わせという認識はありますか?

私が子どもの発達障害や学習障害を疑って情報を集めた中に、「漢字をパーツの組み合わせと認識できない児童がいる」というものがありました。

漢字は「偏(へん)」「旁(つくり)」「冠」などの部分から構成されています。
この認識が薄いと、一字一字をそれぞれ独自の「イラスト」「文様」のように覚えようとしてしまうと聞きました。
そりゃ、すごく労力がかかりますよね!

我が家では、共通するパーツのある漢字を集めて書いて見せて「木に関するグループの字は木へん」「水に関するグループの字はサンズイへん」と教えました。

どのお子さんにも言えますが、漢字が苦手なお子さんには特にしっかり認識させた方が良いようです

専門機関からも言われています。
【出典】京都府総合教育センター:〈特別支援教育ガイドブック〉読める!書ける!~すべての子どもが楽に読み書きを学ぶために ~

https://www.kyoto-be.ne.jp/ed-center/tokubetu/22-kenkyu/yomerukakeru.pdf

↑このリーフレットの12頁です。

漢字はパーツの組み合わせにしか過ぎないと強調すると、将来への学習への負担感を減らす効果もあると思います。

小学校で習う漢字は1000字を越えます。
子どもだって、「こんなにたくさん新しい字を勉強しないといけないんだ…」とプレッシャーでしょう。
毎年4月に渡される教科書や、お兄さんお姉さんの教室に貼ってある一覧表など見るでしょうし。

どんなに数多くあるように見えても、漢字は共通するパーツで成り立っており、パーツさえ覚えれば後はラクちんだよ、とプレッシャーを除いてあげたいものです。

ウチの我が子に言いましたよ。
「『木』と『林』と『森』! ほら、『木』さえ書けたら、3つも漢字を覚えたことになるで!」と。

ウチの子も「うわあ!ホンマやあ」と喜ぶ単細胞な子でw
こういう素直さが良かったですw

4. 根性論より付加情報で頭に入りやすく

何回も書いて覚えるのではなく、その漢字を覚えやすくする付加情報を動員する方がラクです。

「親」を「立って木を見て親になる」と覚えるようなものです。
根性論で「とにかく書け」と並んで、子どもに漢字を覚えさせる工夫として取り組まれているものです。

他にも「達」という漢字。
三本線を二本にしてしまう間違いが多いですよね。

これを頭ごなしに「三本線で書きなさい」と覚えこませるのではなく、この「達」という字は、「羊がたくさんいる様子だよ、だから『土』と『羊』から成り立っているんだよ」という解説もアリです。

このような漢字にまつわる付加情報は、普通のお子さんにも有効なので、いろんな漢字学習の教材で情報を集めやすいでしょう。

また、ご家庭だからできる取り組みもあります。
普段の生活シーンで身近な話題と結びつけるのです。
遠足で行った地名とか、最寄りの駅名とかです。

ウチの子は、「児童館」の「児」を、「日」ではなく「目」で書く悪癖がありました。
学童でお世話になっている児童館の門扉を通るたびに「ほら、児は『日』だよ」と看板を指さして教えていました。

5. 唱えて覚える方法もあります

昔から有名なのは「下村式唱えて覚える」学習法です。
私が数年前に息子のために探して見つけた時も、Amazonのレビューに「親子でお世話になっています」というのがありました。

発達障害や学習障害、書字障害という名前が教育現場に広く知られる前から、学校には「漢字が苦手」というお子さんは昔からいたのでしょう。

障害名はないけど「漢字が学習しづらい」お子さんのために、昔から編み出されてきた方法です。

漢字を唱えるとは。
「倍」という漢字なら、「にんべんに、てん一、ソ、一で口をかく」と覚えるものです。

本を買わなくても下記の下村式を解説するサイトでいくつか例を見ることができます。
【出典】下村昇の窓:村式漢字口唱法
http://www.n-shimo.com/cn3/pg889.html

ウチの子には残念ながらはっきりした効果はそれほど感じられませんでしたが、ロングセラーであることから効果があるお子さんもたくさんいらっしゃるようです。

この「下村式唱えて覚える」シリーズ、漢字の唱え方だけでなく、4であげた漢字についての付加情報も盛りだくさんです。

実は、「達」が「土」と「羊」というのも、この下村式の本で得た情報です。

まついのりこさんのイラストも古びない親しみやすさですし、「なりたち」で分類した「漢字ファミリー」も見ていて楽しいものです。
口で唱えるが合う合わない別として、家庭に1冊あると漢字に親しみやすくなる本です!

6.生まれつきの障害の可能性も

障害の可能性については最後に述べることにしました。

ウチの子が発達障害の疑いが濃厚でも、障害の診断名を付けずにいたのは。
心理士さんから「診断名はつくかもしれないが」と言われてはいて、その方向で情報を集めてみたものの、ウチの子程度では普通級に普通に通うしかなさそうだったからです。

特別支援教育は、もっと深刻に必要とするお子さんですら十分ではありません。
ウチの子程度では「普通級で丁寧に対応してもらって頑張って」以上の支援は見込めなかったのです(少なくとも数年前は)。

その一方で、「学校の勉強なんかどうでもいいですよ。それよりも自己肯定感ですよ」と言われました。
ここで、うーーん。

学校での勉強がある程度できないと、本人にとって学校が楽しい場所にならないし、そんな状態で「自己肯定感」が育つのでしょうか?

自己肯定感は、学校に通うのが苦痛にならない程度にお勉強ができないと身に付きづらいのでは?
そう考えて私は家庭学習に工夫を凝らしましたし、おかげさまで本人も中学受験で本人に合った学校に通っております。

障害だから仕方ない…は、そこで学校教育を投げ出すのではなく、いろんな可能性を探ってからにした方がいいように思います。

とはいえ、以上の考えをもって工夫をしても、それ以前に困難を抱えたお子さんもいらっしゃるのも確かです。

知り合いのお子さんは、はっきり書字障害と診断がついています。
調べてみると、これは確かに工夫や努力の問題ではありません。

NHKでも紹介されていました。
【参考】NHK NEWS WEB:僕は漢字が書けません
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190613/k10011949681000.html

上に挙げた京都府教育委員会のリーフレットにも、「漢字が書けない」という現象の背景にはいろんな原因があると指摘されています。

漢字だけでなく、学習全般の問題があったり、視覚や聴覚、手指の運動の問題があったりします。

また、お子さんの心身の障害だけでなく、家庭環境が極端に夜型など学習に取り組む生活が整っていないなどの可能性もあります。

「漢字の勉強が苦手」「学習が難しい」という問題の背景には、一介の親など思いもかけない原因があり得ます

私は自分の経験から、障害の可能性も視野に入れつつ、あまり普通のお子さんと距離が開かないよう工夫の仕方をお伝えしますけれども。
視野に入っている障害の可能性が濃いものでしたら、その分野の専門家との相談も並行していくべきです。

下記に国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターの「書くことが苦手な子」についてのサイトを張っておきます。

【参考】国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センター

 

まとめ

この記事では、1と6に障害の可能性について触れ、その間に「障害でないとして漢字を学習する工夫」を書くという構成にしました。

生まれつきの障害であるなら、間違った根性論などで自己肯定感を損ねないように気を遣うべきではあります。

しかしながら、特別支援教育は誰もが特性に見合った適切なものが受けられるとは限りません。
マンパワーや、研究の知見が不十分ですし、地域や学校、担任の先生の熱意や思い込みにも左右されてしまうのが現状です。残念ながら。

まずは、お子さんに無理のない範囲で、ここで述べたような工夫をしてみてください。

もちろん、どう工夫しても、またどう見ても障害としてとらえた方が適切な場合もあります。
そのような場合は、専門家とコンタクトを取りましょう。

また、特性に応じて電子機器などの利用が柔軟に認められる雰囲気が醸成されることを願ってやみません(ウチの子、未だに字が汚いし…)。

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