古典の勉強に役立つ漫画。国語が苦手な子ども(理系?男子)でもOK!

源氏物語文章

日本語のハズなのにさっぱり分からない古文。文章以前に、描かれている世界観が分からない。文字の説明があっても実物のイメージがわかない。女の子なら漫画の「平安モノ」で補えても、男の子はなかなかです。そんな男子たちへのお勧め漫画です。

1. 定番中の定番。読んでくれるなら「あさきゆめみし」

例え男子であっても以下のようなお子さんもいらっしゃるかもしれません。
「受験目前!少女漫画だろうがなんだろうが読む気がある!」
「もともと少女漫画に抵抗がない」

このようなお子さんは是非「あさきゆめみし」(大和和紀さん作)を読みましょう。

あの紫式部の「源氏物語」を漫画化したものです。
数ある源氏物語の漫画化の中では定番中の定番、学校や塾でも勧められることが多いでしょう。

冒頭部分に少女漫画的な演出がやや強めである以外、概ね良心的で正確な漫画化だと評価が高いです。
私が高校生の頃(1980年代)まだ連載中で、大和和紀さんが京都御所など取材していた様子が連載誌で紹介されていたのを見たことがあります。
平安時代の空気感、建物・衣料・調度類のイメージを適切に理解できる名作だと思います。

ただ…。
私が息子に勧めようと手元の文庫を読み返してみましたが…。
うーーん、精神年齢幼めの男の子が楽しんで読むかは疑問です。

大和和紀さんの絵柄が少女漫画らしい繊細なものですし(私はそこが好きなんですが)。
そもそも源氏物語自体が男女の恋の機微を扱う内容(思春期をこじらせた男子的には「なんだよ、このスイーツw」な反応かも)。

良書なので、苦にならないお子さんなら是非読んだ方がいいですが
読めないタイプのお子さんは、下記の別の漫画を読みながら機が熟すのを待つのがいいかもしれません。
(あまり無理に読ませると古文全体にアレルギーを起こしそうですし)

2. 理系男子が平安時代に仲間を発見?「応天の門」

我が家の「理系志望男子・精神年齢幼め」が食いついたのが「応天の門」(灰原薬さん)

男性誌に連載されている少年向け漫画で平安モノです(2020年7月時点で12巻)。

ストーリーは、平安時代初期の京の都を舞台に、在原業平と菅原道真がタッグを組んで怪事件を解決していくというものです。

在原業平は壮年で平安京の治安を守る警察官のような仕事をしており、菅原道真はまだ大学(平安時代にもあります)の学生です。
ひょんなことから知り合った在原業平が、頭脳明晰で博覧強記な菅原道真に探偵役を依頼するという構図です。

短い怪異譚を解決していきつつ、連載の全体としては、藤原氏が勢力を固めつつある中、非藤原氏の業平・道真の周囲が不穏になりつつあるピリピリした緊張感があります。
若き道真が強かな後の政敵とどう対峙していくのか。
その後の歴史上の事件と漫画内の道真がどう絡むのか楽しみです。

理系男子に向いているポイントは。
怪異現象に見えても、それは薬草の幻覚に過ぎなかったり、登場する人物の属性に由来するものであったりします。
合理的な判断を好む道真がテキパキ解決していく点が理系向けだと思います。

そして、そんな青年期の道真が「自分は何者になりたいのか」という悩みを抱えて成長していくのですから、理系男子とは相性がいい漫画です。

時代考証も専門家が監修しています。
風俗や調度品など漫画の描写を通じて、古文の世界観に親しむことができるでしょう。

なお、在原業平を主人公とした(とされる)「伊勢物語」は、古文の学習の初期からちょくちょくお目にかかります
我が家では業平が古文のテキストで登場するたびに「あのおっさん」と業平を呼んでいますw
親しんでますよw

3. どんな子どもも気楽に読めて親しめる「凪子先生&蛇蔵シリーズ」

凪子先生という方は、日本語学校で日本語を教える「日本語教師」をしてらっしゃいます。
この凪子先生と日本語学習者とのドタバタ劇を楽しく面白く漫画にしているのが蛇蔵さんです。

この2人の代表作は「日本人の知らない日本語」シリーズ。
日本語を初めて学ぶ外国人から見た日本語について考えさせられ、国語(現代文)の勉強になります。

この「凪子先生&蛇蔵」さんが古典文学を中心に取り上げたのが「日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典」です。

軽妙な漫画で、日本の古典文学の著者たちが紹介されています。
清少納言はサバサバ系、紫式部は内向的な自己完結女、菅原孝標女はオタ系女子…。
「へえ…」と意外なキャラの鴨長明、現代ならこんなタイプかと親近感を覚える吉田兼好…。

それぞれのキャラが立っているので、古文の学習でその人たちが書いた文章に出会っても「あー、あの人なら書きそう~」と一気に親しみがわきますよ。

例えば清少納言の枕草子。
ちょっと辛辣な内容が出てくると、「ああ、あの煙草をスパーっなお姐さんが言いそうw」と。
※「煙草スパー」「(-。-)y-゜゜゜」はイメージですw

人物を紹介しつつ、有名どころの有名場面も、この漫画の中でも紹介されています。
菅原孝標女が、「源氏物語」の世界にふけるあまり夢の中でお坊さんに叱られるエピソード。
原文を織り交ぜながら、そっくり漫画で紹介されています。
↑また、笑えるんですよ、この漫画での描写がw

「国語」「古文」というだけで身構えてしまうかもしれない男子も、先にこの本で著者たちとなじみになっておくと古文をぐっと身近に感じるのではないかと思います。

おまけ 近代以降は「よちよち文藝部」

ここでは古文向けの内容を挙げましたが。
近代以降の文豪・文学作品に親しみを持つのに、久世番子さんの「よちよち文藝部」も、お勧めです。

一つだけ言えば…。
もし文学を読むことに興味があるお子さんなら、先入観なく、まずは文学作品そのものを読んだ方がいいとは思うのですが…。
ウチの子については年々理系志向が強くなっていくので…「もう自発的に文学を読むことは無さそう」と思って、読ませました。

ただ、久世番子さんが対談したロシア文学の専門家は、「最初に『あらすじ』を読んでから、文学作品に取り掛かるのもアリ」とのご見解です。
ウチの子も、番子さんをきっかけに作品を手に取ることもあるのかもしれません。

まとめ

古文を知るための定番中の定番は「あさきゆめみし」。

理系男子にも楽しいんじゃないかと思うのは「応天の門」です。

誰にとっても読みやすく、古典の「中の人」に親しみを持てるのが「日本人の知らない日本文学」かと思います。

久世番子さんの「よち文」も、笑いながらも、近代以降の作家さんを身近に感じる楽しい一冊です。

国語の勉強が楽しく、興味深く感じられるようになるために、ここでのご紹介が役に立てたらと思います。

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