主婦には意外な「投資信託の手数料」。下げが拡大でも発想が別物

ガマ口と小銭

節約主婦は日々の行動で10円20円を節約していますし、手数料というのは何かが動いた時に発生するものだというイメージが強いと思います。ところが、投資信託の手数料は発想が異なります。たしかに手数料は低下傾向ですが、毎日かかるものもあるので注意が必要です。きちんと知って、投資信託のデメリットを上手く回避していきましょう。

1.「ほったらかし」でも毎日かかる運用管理費用(信託報酬)

投資信託を購入し保有することになると、何種類かの手数料がかかります。

中でも「運用管理費用(信託報酬)」は毎日かかるものです。
それも、「損失を被ったときも」「利益が出た時も」です。
(「運用管理費用」とは、2以降をご覧ください)。

この点は、預けていると利息が付く預貯金とは異なります
預貯金と投資とは発想が異なるのです。

とはいえ、投資信託の手数料を過剰に怖がることもありません。

仕組みと相場を知り、自分が何にどのようなお金を払っているか把握していれば大丈夫です。

2.毎日かかる運用管理費用って何?

FPの受験参考書に分かりやすい例えがありました。
要は「手間賃」です。

投資信託はその名のとおり「投資」を「信託する」ものです。
投資信託のあらましについては以下の記事をご参考下さい。

投資信託が初心者向けな3つの理由を基礎からおさらい
2020年の年明けを機に資産運用を始めてみようかとお思いの方もいらっしゃるかもしれません。投資初心者には投資信託が向いているとされています。この記事では、私の約2年半の投資経験をもとに、初心者ならではの失敗談や具体的な数字をイメージしていた...

あなたのお金を預かって、運用して、管理してという活動の中には、3つの金融機関が関わります。

投資信託を販売する販売会社と、運用を指図する運用会社、お金を預かって運用・管理する信託銀行です。

これらの会社もただ働きというワケにはいきません。
投資をお任せする分、「手間賃」を支払っているのです。

【参考】投資信託協会:投資信託の仕組み
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/about/scheme/

投資信託協会の説明では、

運用にかかる費用、運用報告書の作成費や発送費、資産の保管のための費用などをまかなうもので、運用会社・販売会社・信託銀行の3者で配分されます。

【参考】投資信託協会:投資信託のコスト
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/costtax/cost/

2.1 運用管理費用の計算の考え方

運用管理手数料は年率で表されることが多いです。1日あたりについては365で割ります。

運用管理手数料(信託報酬)が3.65%(説明しやすいようにした仮定の数字です)なら、1日0.01%の手数料がかかることになります。

投資信託を1万口10000円で購入し。
翌日10500円に値上がりしたら10500円×0.01%=1.05円の運用管理費用がかかります。
500円の値上がりで利益を得ているので、このときはどうってことないかもしれません。

しかし、この10000円で購入した投資信託が次の日9500円に値下がりをしても。
9500円×0.01%=0.95円を支払わなければならないのです。
500円損しているのに、さらに手数料を支出することになります。

分かりやすいように1万円で説明しましたが、10万円投資していれば、一日あたりの信託手数料は10.5円、9.5円という数字になります。
主婦としては1円単位で節約したいものなので、うーーんという気になりますね。
(私が今この記事を書いていて、知ってはいたけど「うーーん」な気持ちになりました)。

2.2 毎日どのように支払っているの?

投資信託を購入時には「年率」で説明されることが大抵なので。
年に一回支払っているだけだとお考えかもしれません。

投資信託の値段は、1日1回再計算されます
この段階で、投資の結果を反映させると同時に、運用管理費用を差し引いているのです。

投資信託協会の「基準価格」の説明を引用します。

日々算出される投資信託の価額のこと。投資信託に組み入れられている株式や公社債等をすべて時価評価し、公社債等の利息や株式の配当金などの収入を加えて資産総額を算出する。この資産総額から、信託報酬などの必要な費用を差し引いて純資産総額が算出するが、基準価額は、この純資産総額をその日の受益権口数で割った受益権1口当りの資産価値。

【参考】投資信託協会:基準価額
https://www.toushin.or.jp/words/keyword/32/

特に何かを支払っているつもりはなくても、「信託」している財産から“自動的に”差し引かれているものです。

3.その他にかかる手数料

投資信託によっては「購入時手数料」や「信託財産留保額」という費用が発生するものがあります。
(ただ、だいぶ少なくなったと感じます)

購入時手数料は、その名のとおり、購入した時に販売会社に支払います。
1回ポッキリの支出です。
また、購入時手数料を取らないこともよくあります(ノーロード)といいます。

信託財産留保額もかからないものが増えました
そもそもどのような性質の費用で、どうしてこのような名前なのかというと。

お金を出し合っている人たちの中から誰かが換金するとして、その必要な事務手数料を取らないと、その投資信託に残っている人が負担することになってしまいます。
そのような不公平を防ぐために支払うものです。
FPの参考書に「信託財産に対して支払う」という説明がありました。

あと、負担を免れないのは「監査報酬」と「売買委託手数料

投資信託の計理がちゃんとしているか、公認会計士や監査法人の監査を受けなければなりません。
その報酬は信託財産から支払われます。
あなたが直接払うのではありませんが、間接的に負担します。

また、投資信託が株式を売買する際に、手数料が掛かった場合、その手数料も支払われます。
個人で株式を売買しても、証券会社に手数料を支払うので、買い手が投資信託でも同じことが起こります。
投資信託が負担する株の売買手数料は、信託財産から支払われます。
これも、間接的に投資家が負担することなり、「売買委託手数料」といいます。

4.手数料だけで「投資をしない」は早計

ある有名な評論家が「だから投資なんかおやめなさい」と仰っているのを読んだことがあります。

預貯金なら元本保証のうえ、たとえ雀の涙でも利息がつきます。
また、デフレ下なら現金で財産を目減りさせないのが有効ではあります。

私も、今の政府や金融機関などの投資や投資信託への呼びかけは過剰かなあ?と思わないでもないです。

ただ、「たしなみ程度」に投資のことは知っておいた方がいいと思います。

4.1 少額でいいので投資スキルだけは持っておいた方がいいです

政府や金融機関の言うように、預貯金ではお金はほとんど増えません。
多少リスクを取ってでも投資をすべきだ、という主張も、それなりに正しい見解です。

今後もデフレが続くのなら、某経済評論家のおっしゃる通り、預貯金だけでも大丈夫でしょうけれども。
未来のことは誰にも予想できません
インフレが始まったら、それが預貯金の利率に反映されるまで時間が掛かります。

「預貯金一本足打法」は、それはそれでちょっと怖いです

趣味か習い事のようなつもりで、ちょっと投資をかじってみて、どんなものかくらいの感触は掴んでおくべきだと思います。

また、投資についての情報が氾濫する中、全く知らないでいるのも、世の中から取り残されたようで不安ではありませんか?

いつまでも「投資ってなんだかよく分からない」と思っているうちに、おかしな金融商品を勧められても仕組みが分からず、不適切な投資をしてしまうかもしれません。

まずは、誰に勧誘されもしない状態で、初心者向けの商品を少額から試してみて、「投資とはこんなもの」という知識を実地に積み重ねていくことは始めてみられていいと思います。

初心者が大金をつぎ込むべきではないので、その点、少額から始められる投資信託は向いています。

だって、コストが…というお話をしていたんですよね。
それを次の2項目で述べます。

4.2 低コスト化がすすんでいます

よく報道されているように、投資信託の低コストかが進んでいます。

上で述べたように、ノーロード、信託財産留保額は取らないものが増えました。

運用管理費用も下がってきています。
上の例では分かりやすいよう、年3.65%という仮定の数字を上げました。
ちょっと前なら珍しくない数字だったのですが、今は3%は結構高い部類に入ります。

運用管理手数料は、その投資信託によって異なるのですが。
低コストを売りにしているシリーズだと、「年率0.1540%(税抜 年率0.140%)以内」なんかだったりします
※「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」←私も持っています。

安くなりつつある理由は2つあります。

1つは、それぞれが顧客獲得に向けて値下げ競争をしているからです。
手数料値下げが続いて「あの業界大丈夫か?」と報道されるほどです。

もう1つ、規模の小さい投資信託が規模を大きくすることで運用効率を上げることができ、それが低コスト化につながることもあるからです。

年率0.1540%を365日で割ると、1日あたり0.0004219…%です。
1万円×0.0004219%=約0.04円、10万円でも約0.4円です。

投資信託の基準価額は必ずプラスとは限りませんし、その投資信託のその時々で変わります。
私の経験では、上下数%何回かぶれたなあという記憶があります。
(基準価額の推移を見れば過去の値動きは分かります)。

10000円で購入した投資信託が1%増えると100円利益が出ます。
確かに運用管理手数料3%だと考えますが、0.015%だとコストはそれほど負担ではないでしょう。

運用手数料(信託報酬)は毎日かかるため、決して無視できないものではあります。
しかし。
投資で得られるリターンとのバランスを考えれば、これだけで「投資信託をしない」と結論付けるのは早計だと思います。

4.3 私の場合…コレで損は出してません

私は2017年の夏から約2年半、NISAで投資をしていますが、今のところソンはしていません。

私はFPの勉強として投資を行っており、損得よりも経験を積むことが目的です。
儲けたい、というよりも…。
勉強だから勉強代程度の損失はあってもいいくらいの気持ちと、勉強レベルで大損も大儲けもするつもりはないというスタンスです。

一般NISAで株を2銘柄、投資信託を3銘柄です。
一般NISAと積立NISAはどちらかしか選べないので、投資信託は積立てずに単発で購入してます(一般NISAでも積立てる形で購入することもできますが)。

私の場合は、積立をしていないので、安いときに買った株や投資信託が値上がりしたときに売却し、利益を確定させるということもしています。
長期の資産形成や、大きな利益を得たいというのには向いていない行動ですが

1万円で購入した投資信託が、1万1000円に値上がりをしたら売却して、とりあえず1000円の利益を手にします。
また、10000円前後になったら購入して…ということをしています。

私は楽天証券で、日々ネット上で自分の資産状況を確認しています。
資産の一覧で自分が実現させた損益が確認できます。
過去に実現させた利益があれば、コストがかかっていても、その分確実に取り戻してはいるので納得できるかと思います。

本来は、投資信託は長期保有でじっくり増えるものを待つものですし、そのように保有していても最終的にはコスト以上のリターンが見込めるとされる商品です。
ただ、将来が心配なら、自分が安心できる分、短期で利益確定しておくのも一つの方法かなあと思います。

ただ、「嗜み程度に投資を始めてみたい」「10円単位で節約している主婦なんだから、どんなに短期でも1円たりとも損したくない」という人向けのお話です

長期の資産運用であまり推奨される行動ではないので、ご注意ください。
私も、いずれは長期の資産形成に積立投資に腰を据えるつもりです。

NISAの制度が刷新されるとのこと。
私のような「勉強がてら短期売買したい」と「長期の資産形成に積立もしたい」の2つの希望がある立場にとっては、両立しやすくなりそうで良いニュースと受け止めています。

少額投資非課税制度の見直し案。10人中9人が要検討?NISAが面白くなる? 
運用益が非課税となるNISAはとてもお得な仕組みです。2019年12月税制改正大綱でNISAの見直しが報じられました。「長期投資を促す」と報道されていますが、「積立投資の前に色々試せる」という利点もあると思います。 1. 少額投資非課税制...

まとめ

私も、1円、10円単位で日々節約している主婦です。

政府や金融機関は「貯蓄から投資へ」と呼びかけ、初心者には投資信託を勧めます。
今後に向けて投資のことも知っておくべきですし、確かに投資信託には宣伝される通りのメリットもあります。

ただ、初心者向けとされる投資信託にはコストがかかります。
預貯金なら元本保証されている上に、雀の涙とはいえ利子が付くのとは異なります。
値上がりしてもしなくても一定額かかる運用管理手数料は、節約主婦には少し発想の転換が必要です。

かといって、これだけで「投資なんかしない」と結論付けるのは早計です。
低コスト化もすすんでいますから、リターンとの兼ね合いで考えるべきです。

投資信託は長期で保有し、そして長期的にはコスト以上に利益が出る可能性は大きいものです。

それでも、目先の手数料が気になる人は(コスト意識が高いのも、まっとうな感覚だと思います)
…長期保有が望ましいという面からはあまり推奨されませんが、短期で売買して納得できる程度に利益確定させるのも一つの向き合い方かな、とも思います。

私自身も、勉強のために投資をしているので、ちょくちょく売買して細かく利益を確定させながら進めています。
(長期の資産形成には向いていない行動で、いずれは積立投資に腰を据えるつもりです)

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