ファイナンシャルプランナーって何するの?受験内容とイメージの違い

相談者

FPといえば、世間様には「家計相談」「保険の見直し」というイメージが強いようです。私がFPと自己紹介すると「じゃあ家計相談できますか?」「保険の見直し教えてください」と言われます。ただ、実はこれらを単独で受験勉強で学ぶわけではないのです。

1.「家計相談」や「保険の見直し」単独では勉強しません

皆さんが、ファイナンシャルプランナーの肩書を持つ人のしている仕事として思い浮かべるものは以下の2つではないでしょうか。

フリーペーパーや雑誌のコーナーで、あるご家庭の1カ月の家計簿の収支(食費とか通信費とか)の一覧が載っているような「家計相談」がまず一つ。

あとは、保険証書を見てもらって、「余計な保険に入っていないか」「必要な保険に入らないままで大丈夫か」を判断してもらう場面をお考えかもしれません。

私は3級から2級ファイナンシャル技能士の受験勉強を経験済みです(合格しています)。
また、民間資格のAFP(2級相当)のために実習(架空のファイナンシャルプランニングの提案書制作)をしました。

今は1級相当の民間資格CFPの受験勉強中です。

ただ、これらの受験勉強の中で「家計相談」「保険の見直し」単体では項目に挙がっていないのです。

2.ライフプランから「家計」「保険」を考えるよう学びます

ファイナンシャルプランナーの勉強では、まずライフプランを把握することを学びます。

月々の家計や個々の保険から考えるのではなく、大きくライフプランの中で望ましい家計のありかたや保険の内容を考えるのです。

「小から大」ではなく、「大から小」です。

2.1 ライフプラン表とキャッシュフロー表を学びます

ファイナンシャルプランニングのベースになるものであり、当然、受験テキストでも最初の方で勉強するのが「ライフイベント表」を作ることです。

ライフプラン表とは、家族がこれから何年後にそれぞれ何歳になるのか一覧にしたものです。

2019年現在から、横軸に2020年、2021年と大体30年分くらい升目をつくります(横でなくても何年分でも構いません)
次に、縦に家族の名前を書き連ねます。
そして、この縦横の表の中に、家族の誰が何年にどんなイベントを迎えるのかを一覧表にするのです。

夫が2038年に定年退職とか、子どもが2023年に大学進学などの予定が分かります。
すると「○年後に□□円くらいのまとまった支出があるのだな」という見通しが立ちます。

ライフイベント表は、いわば「今後の家族の未来の年表」です。
このライフイベント表に具体的に金額を推測して加えたものが「キャッシュフロー表」といいます。

こういったライフプラン表やキャッシュフロー表の意義や作製法等について、FP受験テキストで学びます。

2.2「家計相談」コーナーは本文が大事

フリーペーパーや雑誌の家計相談コーナー。
そこの「家計簿」の数字、つまり食費〇円、住居費□円、教育費△円といった数字に目が行く人が多いかもしれません。

その数字と自分を比べて「ウチは使いすぎかな?」「このお宅ぜいたくなんじゃない?」なんて思いながら読んでいらっしゃるのでは?

そして、FPのアドバイスもその時点での家計の改善策について注目されがちです。

でも、きっとその相談を受けたFPさんは、上で書いたようにライフプランをライフイベント表やキャッシュフロー表で把握されているはずです。

本文を読んでいると「〇年後のお子様の大学進学を見据えると」とか「今が老後資金の貯めどきです」といった表現があるかと思います。

そして、意外にFPは常に「支出を削れ」と言ってばかりではありません。

「お子さんの年齢からみて食費は削るべきではありません」とか「教育費も自分への投資と考えましょう」とか、理にかなった支出は奨励することもあります。

この「理にかなった支出かどうか」
これを、ライフプラン全体を見たうえで、担当のFPさんはコメントしているのです。

ライフイベント表やキャッシュフロー表から見て「○年後に□円のまとまった支出が控えているから、それまでの△年間にそれだけの資金を用意しましょう」と考えます。

実務にたけたFPさんが、それぞれ入手した資料や知見から、この家族構成やライフスタイルから見て、各月の食費や住居費、教育費、娯楽費、そして加入すべき保険などの各項目の望ましい金額を提案されているのです。

家計相談は本文に書かれている、そのご家庭の「未来の年表」についての記述の方が、より本質的なのです

なお。
統計資料の主なものには、総務省の家計調査などがあります。
その他、いろんな官庁や公的団体が実施した統計調査の情報もあります。

日本FP協会の会員だと、そういった情報もしょっちゅう届きます。
(私については、すみません、日々の生活に追われて目を通す機会が少ないのですが…)

3.CFP(1級相当)では6つのステップとされます。

なかなかFPのコンサルティング業務が日本社会に根付かない中、CFPの資格取得者は日本FP協会でも紹介されていますし、独立開業されている方も多いです。

CFPの受験テキストでは、実際のコンサルティングに近い具体的な手順を学びます。それが6つのステップと呼ばれるものです。

3.1 ファイナンシャルプランニング6つのステップ

日本FP協会にファイナンシャルプランニングの6つのステップが示されています。
【出典】日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/aim/cfp/cfptoha/4e.shtml

  • 1. 顧客との関係確立とその明確化
  • 2. 顧客データの収集と目標の明確化
  • 3. 顧客のファイナンス状態の分析と評価
  • 4. ファイナンシャル・プランの検討・作成と提示
  • 5. ファイナンシャル・プランの実行援助
  • 6. ファイナンシャル・プランの定期的見直し

1つ1つの細かな説明はここでは行いませんが(ご興味があれば日本FP協会のサイトをご覧ください)。

世間様がイメージしているのは3と4の「顧客のファイナンス状態の分析と評価」「ファイナンシャル・プランの検討・作成と提示」だけであることが多いのではないでしょうか。

「家計簿や保険証書などの資料を渡せば、それに対する回答が得られる」というコンサルティングもアリですが。

本格的には、FPと顧客とのお付き合いはもっと幅広いです。

3.2 お金の数字だけではなく、性格や人生観も考慮します。

私自身はまだ仕事としてコンサルティング業務はしたことないんですが。

AFPの認定を受けるのに、架空のコンサルティング業務を受けたとして提案書を作成したことがあります。

私はこの課題を通信教育で受けたのですが。
DVDで講師の先生がイロイロ教えてくださいました。
印象に残っているのは、この仮定のクライアント様には銀行預金以外の試算がない点を指して「保守的なお考えの人かもしれない」と述べられたことです。

相手が保守的なお人柄なら、株式等のリスクの高い投資はもちろん勧めません
また、私の提案書では、保険についても日本人になじみ深い国内生保の中からいくつか選び、参考に外国系でお安いところも付記するという形を取りました。
(それで合格しましたよ)

顧客について得た印象がもう少しアグレッシブなものなら、投資信託を勧めたり、コスパ重視で別の保険を勧めたりしたかもしれません。

また、CFPの受験テキストでは「行動ファイナンス」という項目を学びます。
人間は認知の誤りや感情で行動するので、お金に関する心理学っぽいことも学習します。

一例を挙げると、「現在志向バイアス」というものがあります。
現在の小さな利益しか目に入らず、長期的な利益を伸ばしてしまう傾向です。

住宅ローンで「当初の金利が低くて何年か後に金利が上がるタイプ」と「ちょっと高めだけどずっと固定金利のタイプ」だと、あまり検討せずに前者を選んでしまうようなケースです。
(これもライフプランや実際の総支払額によって実際の選択は決まりますが。目先の金利だけで選んじゃうのが「現在志向バイアス」です)。

今まで述べてきたように、FPが考えるべきこと(学ぶべきこと)には、顧客の性格や人生観も含まれ、それを把握するための心理学的な知識も必要です。

ついでにいうと、「相手に心を開いていただけるよう、FPもマナーや服装に気を付けましょうね」なんてことも受験テキストに載っていたりしますw

「家計簿の分析の仕方」とか「保険の見直しの仕方」単体を学ぶわけではなく、相手の人生設計をお手伝いするための基礎を学ぶのがファイナンシャルプランナー資格の受験勉強です。

私流に言わせていただければ。
ファイナンシャルプランナーってなにするの、という問いには。
世間様がイメージする「家計」「保険」の節約指南ではなく、「経済面を中心とする人生相談」とお応えしたいですね

ええ、そういうコンサルティングが出来るようしっかり勉強していきたいと思っています。

まとめ

世間様がイメージする「家計相談」「保険の見直し」は、受験勉強の段階でそれら単独で学ぶものではありません。

ファイナンシャルプランナーのすることは、本格的には、相手の人生観や性格まで理解したうえで人生設計のお手伝いをすることです。

2級までの受験勉強では、ファイナンシャル・プランニングの基礎となる「ライフプラン表」と「キャッシュフロー表」の意義と作成法を学びます。
(家計や保険などの個々の見直しも、これらの基礎となる情報に照らし合わせて考えます)。

1級相当のCFPでは、人生相談レベルにまで対応できるよう、心理学的なことも学びます。

今はまだ「節約指南術」というイメージが大きいですが、「経済面での人生相談」をFPにという風潮になればいいなと思います。

そして、そのような役割を担えるよう、私も精進していきたいです。

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