生命保険保険料の負担軽減。コロナ特例の猶予延長と原則・見直し策は?

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コロナ禍の収入減で、加入中の生命保険の保険料が負担な方も出てくるかもしれません。保険料は一定期限まで猶予できます。コロナ対策で手厚い猶予期間を設けている生命保険会社もあります。また、加入中の保険を見直す方法もあります。

1. コロナ禍への特別対応で6カ月猶予期間延長(生命保険協会発表)

一般社団法人生命保険協会のサイトには、コロナ関連の特設ページがあり、「新型コロナウイルス感染症により影響を受けられたお客さまのご契約について」「保険料払込猶予期間の延長」をしているとの記載があります。

3月と6月により具体的な情報が発信されています。

まず3月発表の情報では「新型コロナウイルス感染症に係る特別取扱いについて」というページで、「保険契約者からの申し出により、保険会社が定める日から最長6か月間の保険料払込猶予期間の延長措置を実施します」とあります。

6月発表の情報では「保険料払込猶予期間の延長に関する追加措置について」として、「猶予期間分の保険料全額の払込みが困難」な場合に「さらに払込期間を延長」することもアナウンスされています。
ただ、この6月の追加措置(再延長)については、会社によって有無が分かれる可能性があることも同時に記載があります。

この「生命保険協会」という団体は、はサイトのトップページに書かれているように、1908(明治41)年に発足して現在国内の全ての生命保険会社が加入している団体です。

細かくは各保険会社で異なるとはいえ、業界全体ではコロナ対策で特例的に猶予期間が延長されていると言えるでしょう。

【出典】一般社団法人生命保険協会
新型コロナウイルス感染症に関する特設ページ
https://www.seiho.or.jp/data/billboard/disaster05/
新型コロナウイルス感染症に係る特別取扱いについて
https://www.seiho.or.jp/info/news/2020/20200317.html
保険料払込猶予期間の延長に関する追加措置について
https://www.seiho.or.jp/info/news/2020/20200610.html

2. 一般的な保険料払込の猶予のルール

2020年のコロナによる特例は上記の通りです。
では、それ以前にあった、特例ではない場合はどうでしょうか。
コロナによる特例が適用されなくなった時に備えて把握しておきましょう。

これらの一般的なルールはFPの受験テキストにも載っていますし、公益財団法人生命保険文化センターのサイトでも紹介されています。

生命保険文化センターは公益財団法人であり、消費者向けに生命保険の啓発活動などをしています。
サイトトップには「生命保険文化センターは、公正・中立な立場で生活設計と生命保険に関する情報を提供しています」とあります。

意識調査結果など掲載されており、FPでライター業をしているとお世話になるサイト様ですw。

2.1 猶予期間

生命保険の保険料の払込をしないままだと、最終的には「失効」して保険金が受け取れなくなります(後述します)。
その失効を避けて保険契約を有効な状態に保つには、期日までに払い込まないといけません。

その払込期間には通常、以下の猶予期間が設けられています
(猶予期間を過ぎると「失効」か、場合によっては後述の「自動振替貸付」となります)・

猶予期間の数え方として。
まず、払込期日がある月は「払込期月」と呼ばれ、保険料を払い込むべき月だとされます。

そして、猶予期間は払込期月の翌月1日から始まります

保険料を月払いにしている場合、猶予期間は翌月末までです。

保険料を半年払い、年払いにしている場合、猶予期間は、払込期月の翌月の1日から翌々月の月単位の契約応当日までです

翌月1日から猶予期間が始まり、その月は猶予期間となり、その翌月の(払込期限の翌々月)の契約応当日です。
契約応当日とは、保険期間中の契約日と対応する日で、例えば10日に契約した保険の場合、月払いなら毎月10日、半年払いなら半年ごと、年払いなら1年ごとの10日です。

【出典】公益財団法人:生命保険文化センター「払込期月と払込猶予(ゆうよ)期間」
https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/lapse.html

なお、猶予期間中に保険金の支払事由が発生したら、未払い保険料を差し引いて保険金が支払われることになっています。

2.2 自動振替貸付

解約返戻金のある保険では、猶予期間が過ぎても自動的に保険会社がお金を立て替えてくれることがあります
これを自動振替貸付といいます。

これは解約返戻金の金額までが上限です(無制限ではありません)。
そして、「貸付」とあるように、保険会社が利息を取って立替えているもので、いずれ返済しなければなりません
(利息は契約の時期によって異なります)

保険料と利息分が解約返戻金を上回ると、立替えができず、契約は失効してしまいます。

解約返戻金を担保に保険会社が保険料分のお金を貸している…と言うのがイメージしやすいでしょうか。
利息付きの借金をしてしまいますが、今加入している保険を選択肢としてキープできるのはメリットです(保険に新たに入り直そうとすると、後述するようにデメリットがあります)。

保険を解約、または同じ保険を延長(定期)保険・払済保険への変更した場合は、自動振替貸付は行われていてもなかったものとされます(延長保険・払済保険については後述します)。

返済しないまま、満期が来たり支払事由が発生したりした場合は、保険金から未返済分が差し引かれます。

【出典】公益財団法人生命保険文化センター「保険料の自動振替貸付(保険料の立て替え)」
https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/lapse.html

3. 「失効」しても「復活」できる、そのメリットデメリット。

保険料の支払いが猶予期間内にも出来ない、自動振替貸付も及ばないと契約は「失効」してしまいます。
ただ、一定期間(3年など)であれば契約を元に戻せます
これが「復活」です。

3.1 「復活」のデメリット

復活のデメリットは、復活時にも健康状態の告知(診査)が必要となる点です。
つまり、健康状態によっては復活できないこともあります。
健康状態に不安のある人は、保険料の払込に留意し、早めに後述の「延長保険」「払済保険」などの見直しを考えましょう。

それから、復活には、失効期間中の保険料の支払いも必要となります(場合によっては利息分も)。

3.2 「復活」のメリット

復活のメリットは、保険料が失効する前の金額で済むことです。
新しく別の保険契約を結ぼうとすると、年齢が高い分保険料率も高くなることがほとんどです。
その点、保険料据え置きと言うのはお得です。

また、責任開始期(日)は復活したその日です。
責任開始期(日)とは、保険会社が契約上の責任を始める日です。保険金の支払いなどですね。
新しく保険を契約すると、責任開始期(日)は、保険会社の承諾前提で、「申込み」「告知」「第一回保険料の払込」全てが完了した日です。

新しく保険を契約するより復活の方が、責任開始期(日)までの手続きが簡単です。

4. 当面の見直し「減額」「延長保険」「払済保険」

家計の見直しとして、全く別の保険を検討することもアリかもしれませんが。
急なコロナ禍で「そんな余裕はない!」という場合、今ある保険を活用しながら保険料負担を軽くすることを考えてみましょう。

減額」というのは、保険金額を少なくして保険料の負担を軽減することです。
3000万円の保険金から2000万円にすれば、その分保険料の負担は減ります(単純に3分の2になるかは契約によります)。

その他、不要な特約を外すことで契約内容をコンパクトにし、保険料負担を下げることも考えられるでしょう。

解約返戻金がある場合、その解約返戻金を使って「延長保険」「払済保険」に変更することもできます(保険料の払込は中止します)。

「延長保険」は、元の契約同じ保険金額で「期間を短縮」します

期間短縮なのに「延長保険」とはこれいかに?
それは、払込を中止し、その時の解約返戻金を基に「同額の保険金額の『一時払い定期保険』に変更する」からです。
一度区切りがついて、その後同じ額で「延長する」イメージと言えばいいでしょうか。
すると、多くの場合保険期間は短くなってしまいます。

紛らわしいので延長保険と言わず、定期保険という言い方をすることもあります。

払済保険は、期間を変えない保険契約に変更するものです。期間は同じで、保険金額は小さくなります。

払済保険の場合、「残りの期間を保険期間とする『一時払い養老保険』『変更前の同種類の一時払いの保険』に変更する」ことになります。

これらの「減額」「延長(定期)保険」「払済保険」は、一定期間内であれば変更前の契約に戻せることもあります。
この場合は「復旧」と呼ばれます。
復旧するには、復活同様に告知(診査)と、復旧するにあたって不足となっている金額の払込が必要です(利息も必要となることがあります)。

【出典】公益財団法人生命保険文化センター:保険料の負担軽減・払込の中止と契約の継続
https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/incidence.html

ここでは現在加入中の契約の変更についてご説明しましたが、もちろん時間の余裕があれば他の保険契約、保険会社の保険を検討するのもアリです。
同じ補償内容でも、別の会社だと安くなることもあります。

まとめ

コロナ禍で収入が減り、民間の生命保険会社への保険料の払込が負担な人もいらっしゃるかもしれません。

保険料の払込には猶予期間があります。
特に2020年6月現在、コロナ対策として比較的長期間猶予されることになっています(業界全体の傾向ですが、ご自身の保険については各保険会社に問い合わせましょう)。

コロナ対策の特例でなくても、もともと1ケ月~2ケ月の猶予はあります(月払いと、半年・年払いとで異なります。詳しくは上記をご覧ください)。

保険料を払えず失効しても、一定期間なら復活できます。
ただ健康状態によっては復活できません。
もし復活できたら、保険料の金額が変わらない点はメリットです。

保険料の負担を軽減するには、補償内容をコンパクトにする「減額」の他、解約返戻金を使って「延長保険」「払済保険」に変更する対応が考えられます。

時間に余裕があれば、他の保険契約で同じ補償でより安い保険料の者が見つかる可能性もあります。

なお、社会保険である、公的な「国民健康保険」の保険料軽減については過去記事があります。

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