保険の見直し。存続と解約の二択以外の保険料削減方法

保険を検討

日本人は保険に入りすぎており、多くのFPが家計相談で「保険の見直し」を提唱しています。一方、日本人の保険好きは「なんとなく不安」という心情的なものも大きいもの。いきなり解約という大きな決断以外の、保険料の削減方法をご説明します。

1. 解約以外にも選択肢はあります。

日本人は保険を掛け過ぎだと言われます。

保険で備えるべきは、社会保険など公的保険で賄われる分を把握したうえで、足りない分で十分です。

医療保険も下記の記事で書いたように、不要なケースも多いです。

医療保険はいらない?不要論を信じていいのか徹底検証
「人生100年時代」と言われますが、その間ずっと健康だと楽観はできません。病気に備えるために医療保険の加入を検討する人も多いでしょう。一方「医療保険は必要ない」という意見も見かけます。アナタの場合はどちらでしょう? 1. 専門家で「医療保...

では。
自分の保険が掛け過ぎだと分かったら、次のアクションは何でしょう。

不要な部分は解約してもいいのですが、これまで加入してきた実績や払ってきた保険料を活用する方法もあります

その分、保障も小さくなりますが、メタボな状態がスリムになるとも言えます。
保険の「見直し」であり、リフォームと言えるかもしれません。

日本人の保険好きは「なんとなく心配」という心情によるところも大きいようです。
いきなり解約では心理的ハードルが大きければ、部分リフォームの方が取り組みやすいかもしれないですね。

2. 保険金額を減額する

保険料の負担を軽減するのに、シンプルな方法が減額です。

保険金額を減額すれば、それに対応する保険料も少なくなります

例えば。
子どもが小さい頃に一家の大黒柱だったお父さんが、万一のことを考えて何千万という死亡保障をつけている場合。

その後、10年経過すれば。
10年間分の妻子の生活費(住宅費や学費なども)は、もう保険で備える必要はありません。
育児の手が離れて奥さんに収入があればなおさらです。

とはいえ、家計の主な担い手は当分お父さんで、お子さんの独立まで間があるなら、その分の保障は欲しい場合。
その分に見合った保険金額に減額するのがいいでしょう。
3000万円の死亡保障を、今後の妻子の生活費等を計算して1000万円にするなどです。

減額する場合には特に健康状態を問われません
反対に。
増額する場合や、今の保険を解約して新しい保険に入るときには「告知または診査」が必要です。

健康状態をクリアして加入していた過去の実績を活用し、保険をスリム化できるのが減額です。
(減額したものを「復旧」もできますが、告知・診査が必要です)

なお。
減額した分については解約したものとして扱われ、減額部分に相当する解約返戻金があれば支払われます。

注意が必要なのは、個人年金保険です(税制適格特約付き)
個人年金保険を減額しても、解約返戻金はすぐには受け取れず、年金受け取り開始まで据え置かれます

見直し以外の、個人年金保険についての記事は以下にあります。

老後資金?個人年金保険があったはず…CFP問題集から解説します
老後資金のためにと個人年金保険を勧められて加入している人も多いでしょう(ウチもです)。入ったままで、最近話題の個人型確定拠出年金(iDeCo)との違いがはっきりしていない人、受け取りが近い人向けに詳しく説明します。 1. 公的年金以外の選...

3. 解約返戻金を使う「払済保険」「延長保険」

「払済保険」と「延長保険」とは、どっちがどっちなのかよくFPの受験問題でも出題されます。

保険の見直し時に、保険料の払込みを中止し、その時の解約返戻金をもとに次のステップに移る点は同じです。

3.1 払済保険は、期間は変わらず保険金が減る

保険料を払うのを中止し、その時点で解約返戻金を次の保険の一時払いに使います
「払済保険」では、次の保険は「一時払養老保険」または「変更前と同種類の一時払いの保険」です。

変更後の保険金は小さくなりますが、保険期間は変わりません
保険料を払わず、小ぶりの保障を一定年齢まで確保する方法です。

注意が必要なのは、各種特約が消滅する点です。
(例外的に、リビングニーズ特約は消滅しないのが一般的です)。

また、復旧には、健康状態の告知と診査が必要です(その結果不可能なことも)。

それから、個人年金保険(税制適格特約付き)は、契約後10年を経過しないと払済保険にはできません。

3.2 延長保険は、保険金は変わらず期間が短縮される

これも、保険料の支払いを中止し、解約返戻金を次の保険の一時払いに使います
「延長保険」の場合、次の保険は、元の契約の保険金額を変更せずに保険期間を短縮する「一時払いの定期保険」です。

払済保険と同じく、各種保険特約は消滅します。
復旧に健康状態の告知・診査が必要です。

解約返戻金での保険期間が、元の契約の満期を超えることもあるかもしれません。
その場合は、満期までとなり、満期の時に生存保険金を受け取ることになります。

4. 転換を勧められた場合には…

保険を売る立場の人が「保険の見直し」として、保険の転換を勧めてくる場合もあります。

保険の契約転換とは、現在加入中の保険は解約せず、その責任準備金や配当金を、次の保険契約の一部に充てるものです。

保険の「下取り」という説明を見たこともあります。

転換すると前の契約は消滅します。
転換時の年齢・保険料率で保険料が計算されます(その一部に前の保険が充てられますが、大抵は高くなるでしょう)

告知・診査が必要です。

転換についてのトラブルにも要注意です。
最近は改善されたと思いますが…以前問題になっていたことがあります。

バブル期などの予定利率が良い「お宝保険」から、予定利率の低い保険に転換させるということが一時問題となりました。
保険勧誘員にとっては、契約を結んだことになり成績となるので、中には自分の利益で勧誘する人もいました。

そのため、今は保険会社に説明する義務が課せられています。
転換以外の方法や、転換した場合の新旧契約の内容比較です。
しかも書面で行う必要があります。

転換するのが良いケースだってもちろんありますが。
保険会社側の人から「転換」を勧められたら、まずは少し身構えた方が無難です。

また、転換でも、新規契約同様クーリングオフの対象です。

まとめ

「保険の見直し」しないとなあ…と思いつつ。
踏ん切りがつかない人も多いでしょう。

そもそも加入したのも「将来への漠然とした不安」という方も多いでしょうし。

まずは、民間の保険については、今後の必要保障額と公的保険で賄える部分の差額を補うものだと考えましょう。

そして、その金額を今後も保険で賄うのに、解約して新しく入らなくても済む場合もあります。
「減額」「払済保険」「延長保険」など、それぞれの特徴を知って活用しましょう。

「転換」という制度もありますが、保険会社側の人から積極的に勧められた場合には、他の保険の窓口などにセカンドオピニオンを聞いてみてもいいかもしれません(その「転換」が適切な場合も、もちろんあります)。

これらの仕組みで、一気に解約より「リフォーム」する方が、取り掛かりやすい人も多いのではないかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました