コロナ禍で注目。国民年金保険料免除制度と、老後の受取額の計算方法(FP受験でも頻出)

年金手帳

国民年金保険料は月額16,540円です(令和2年度)。自営業やフリーランス、20歳過ぎの学生さんなどが納めます。コロナ禍で収入が減る中、負担な人もいらっしゃるでしょう。その場合は「免除」「猶予」制度を使いましょう。この記事ではこれらの制度と将来の年金額について説明します。

1. 年金未納はナシですよ!

前回の記事でも書きましたが。
国民年金保険料は納付するのが義務です。
したがって強制徴収もありえます(「差し押さえ」とかもです)。
また、未納のままでは障害年金や老齢基礎年金の受給資格を失う恐れもあります。

一方「免除」「猶予」にはメリットがあります。
未納にせず、「免除」であれば国庫負担割合は受け取れます。
「猶予」も納付を10年先送りにできます。

ともかく「自己判断で何の手続きもせずに未納」だけは避けましょう。

下記の記事に詳しく書いています。

コロナで収入減?国民年金保険を「未納」せずに使える「免除」「猶予」制度の現状とは?
コロナの流行、経済停滞、そして家計への打撃が心配されています。税については場合によっては延期されていますね。社会保険については、国民年金保険料について前から「免除」「猶予」という制度があります。未納にするとさまざまなデメリットがあるので、ま...

2. 「免除」でも老齢基礎年金がもらえます!

「免除」期間中、保険料を納付しなくても老齢基礎年金がもらえるか?

さすがに満額とは行きませんが、「もらえるかもらえないか」という問いには、2つの意味で「もらえます」が答えです。

一つ目の意味は受給資格期間という条件を満たすからです。
この受給資格期間は国民年金に10年間加入していないとイケマセン。
保険料を納付できなくても、手続きした上での「免除」の期間はこの10年にカウントされます。
(未納だとこれがありません)。

二つ目の意味は、納付する保険料には国庫負担割合があるので、最低でもその分は老齢基礎年金で貰えるからです。

令和2年(2020年現在)国庫負担割合は2分の1です。
もし10カ月間「全額免除」だったとしても、10か月分の2分の1=5カ月分は支払ったものとして計算されます。
(後で詳しく説明します)。

このように最低でも国庫負担割合分は将来の年金に反映されます。
また、10年以内なら追納することで、納付実績を増やし、将来の年金額を増やすこともできます。

【参照】日本年金機構:国民年金保険料の追納制度
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html

「免除」「猶予」を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降になると、加算されてしまうのでできれば早めがいいです。
ともあれ、3年後や10年後に挽回の選択肢も残せますから、「免除」「猶予」制度は活用しましょう。

3. 保険料免除期間がある場合の老齢基礎年金の計算方法

保険料免除は免除には「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」の4段階あります。
(所得によって異なります)

日本年金機構のサイトでも、FP受験テキストでも文章で書かれていますが、次のように考えると分かりやすいと思います。

2009年以降は、上記の通り国庫負担割合は2分の1です。
全額免除でも2分1もらえるのでしたね。

全額免除から4段階、1段階ずつ保険料を納付したとすると、2分の1から4段階上がっていくので…8分の1ずつ増えることになります

  • 全額免除では2分の1(8分の4)
  • 4分の3免除では8分の5
  • 半額免除では4分の3(8分の6)
  • 4分の1免除では8分の7

なお、2009年3月以前は国庫負担割合が3分の1だったため、全額免除で3分の1。
全額免除では3分の1=6分の2貰えるので、そこから4段階を1段階ずつ増えると、6分の1ずつ増えます。

国民年金は40年(480カ月)で満額となります。
「免除」期間は、上記の計算式で減額されますが、例え10カ月全額免除でも5カ月分は納付したことになります。

減額されてもある程度貰えるうえ、障害年金・遺族年金の受給資格もあります
未納だと上記の計算にも含みませんし、障害・遺族年金の資格も無くなる場合もあります

とにかく未納ではなく、手続きして「免除」を考えましょう!

「猶予」については、納付を猶予されただけですので、10年以内の追納が無いと年金額には反映されません
受給資格期間にはカウントされますので障害年金・遺族年金の受給は可能です。

4. 子どもの国民年金保険料は…。

私自身もそうでしたが、学生時代の国民年金保険料は親が負担していることが多いかと思います。

負担できるなら、このまま負担するか。
攻めの姿勢でいくなら、前払いすることで総支払額を減らす選択もあります。
(最大2年間前払いして、1万数千円節約になります)。

国民年金保険料は安くできます!2月末締切りに注意!
国民年金保険料は所得にかかわらず一定額を払います。2019年度は月額1万6410円です。しかし!国民年金保険料は一括前払いすることでお得になります。特にお得度の高い2年前納などの締切は2月月末です。 1. 日本年金機構も「おトク」と勧める...

親の方で負担できないのであれば、ご本人(学生)が低所得であるということで、学生納付特例制度を使うべきでしょう。

「猶予」なので、10年以内の追納が無いと将来の年金額には反映されませんが。
(3年目だと加算もされてしまうのですが)。
障害年金の受給資格期間は満たし、これは障害の状態に応じて満額支給されます。
(猶予されていて保険料を払っていなくても、受給資格期間にカウントされます。支給の条件は障害の程度で決まります)。

【参照】日本年金機構:国民年金保険料の学生納付特例制度
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150514.html

5. 納付するならしたで「所得控除」をお忘れなく!

自分や配偶者、子どもの国民年金保険料は「社会保険料控除」の対象です。
課税対象額から外すことが可能で、節税となります。

今の納付についてももちろん所得控除の対象ですし。
将来「追納」するなら、その年の所得控除の対象です(上述の「追納」についての日本年金機構のサイトに書いてあります)。

【参照】日本年金機構:Q. 社会保険料控除とは何ですか。
https://www.nenkin.go.jp/faq/kokunen/seido/kojoshomei/20120306-01.html

たとえば1年に家族の国民年金保険料を30万円負担したとします。
この人の所得税率が20%住民税10%だとすると…。
30万円×(20%+10%)=9万円節税になります。
(他の所得控除などは考慮していない大雑把な額です)

↓国民年金保険料の節約方法について、「もし現在負担していない専業主婦が負担するなら、その節約方法は?」と考えてみたことがありますので参考になさってみてください。

専業主婦の年金と保険料支払い、現行制度で3号廃止なら節約はどうする?
私は専業主婦に該当します。FPでWebライターなのですが、夫の扶養を抜けるほどの収入はないからです。そんな私に「専業主婦は保険料を払っていなくてずるい」「保険料を負担すべきだ」という世間の声が。慌てて「もし現行制度のまま保険料負担するなら?...

まとめ

前回の記事にも書いたように、国民年金保険料の納付が負担でも、手続きだけして「免除」「猶予」にはしておきましょう。

「免除」なら一定の計算式で老齢基礎年金に反映されます。
「猶予」では10年間納付を先送りにできます。

「免除」「猶予」どちらも受給資格期間にはカウントされ、障害年金・遺族年金がもらえます。
(未納だとこれがもらえなくなる危険が怖いです!)

お子さんの場合も、納付する前提で節約する(前納や所得控除)か、ご本人が将来追納できるよう「学生納付特例制度」を活用するかしましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました