コロナで収入減?国民年金保険を「未納」せずに使える「免除」「猶予」制度の現状とは?

マスクと犬

コロナの流行、経済停滞、そして家計への打撃が心配されています。税については場合によっては延期されていますね。社会保険については、国民年金保険料について前から「免除」「猶予」という制度があります。未納にするとさまざまなデメリットがあるので、まずはこれらの制度を活用しましょう。また、今後支援策が出てくる可能性もあるのも要チェックです。

1. 「保険料の未納ってきくけど?」いえ、ダメなんです!

国民年金保険料の納付は法律で定められた義務です。
また、強制徴収ということも起こりえます。

また、保険料を払っていないと、税金で負担してもらえる分の権利まで放棄します。

詳しくは後で述べますが、まずは「未納」という選択はナシで考えましょう。

報道などで目にする「未納の人」というのは、規制の網をかいくぐっているだけです。
「未納」を軽く考えるべきではありません。

2. 失業・廃業には「特例制度」があります!

FP受験で国民年金保険料の「免除」「猶予」は頻出項目です。
ただ、ここで述べる「失業等の特例免除」はあまり目にしなかったように思います。
(通常の「免除」「猶予」は前年の所得が問題となりますが、失業等の特例はそうではありません)

新聞で報道されて調べてみると、日本年金機構には以下のようにアナウンスされていました。

【出典】日本年金機構:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
3.失業等による特例免除
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
日本年金機構:国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150402-01.html

自営業などの場合「事業の廃止(廃業)または休止の届出を行っている」人が対象です。
(これを証明する書類については上記リンクを参照してください)
雇用保険に入っていて失業した人の場合は「雇用保険受給資格者証の写し」などが必要です。

この特例免除は、前年所得にかわらず「失業等のあった月の前月から免除」となります。
過去については「保険料の納付期限から2年を経過していない期間」遡ることができます。(年金保険料の納付期限は翌月なので、申請時点から2年1ヵ月前までの期間が対象です)

なお、国民年金保険料は世帯主・配偶者が支払わなければならないものです。
なので、世帯主や配偶者の所得や失業の有無が条件を満たしている必要があります

3. 失業してないけれど所得が減った場合の「免除」

所得が一定額以下の場合は、申請することで免除されます。
免除には「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」の4段階あります。
これも、本人・世帯主・配偶者の前年所得についてあてはまることが条件です。

免除が認められるのは前年の所得が以下の場合です。

  • 全額免除…前年所得が(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
  • 4分の3免除…78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 半額免除…118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 4分の1免除…158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

「扶養親族等控除額」「社会保険料控除額等」は源泉徴収票に載っている額(確定申告する人はその金額)です。
地方税法に定める「障害者」「寡婦」でも基準額が変わることもあるので問い合わせてみましょう。

この免除の手続きをし、部分免除の場合は必要額の納付をしておけば、「受給資格期間」にカウントされます

また、老齢基礎年金には国庫負担があり、手続きをしていれば将来それが受け取れます
国庫負担金割合は2009年まで3分の1、それ以降は2分の1です。

全額免除でも国庫負担分、例えば2009年以降でしたら半分は納付したものとして、将来の老齢年金に反映されます。
税金分はうけとれる、というわけです。
(部分免除の場合、国庫負担割合に加え、納付額が一定の計算式で反映されます)。

単純に「未納」にすると「受給資格期間」「国庫負担割合」のメリットは全く受けられません。

また、「免除」ではそのまま払わなくてもいいのですが、10年以内に追納することで将来の支給額を増やすこともできます

↓免除された場合の、将来の老齢基礎年金への反映についての記事もあります。

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4. 納付猶予制度

所得が少ない50歳未満の人が対象です(学生の場合は次の項目をご覧ください)。
所得は、(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円以下です。

上述の全額免除と同じ基準ですが、配偶者以外の所得は関係ありません。

2016年まで30歳未満でしたし、若い人向けの制度です。
また、2025年までの時限措置です。

免除と異なるのは「受給資格期間への参入は認められる」が、「将来の年金額には反応されない」点です

将来、保険料を負担できるようになったら追納することで年金額に反映させることができます

つまりは、文字通り、若い人向けに「猶予」するけど「免除」はしない制度です。
それでも「受給資格期間」を満たしていれば障害基礎年金や遺族年金も認められますから、未納とは全く異なります。

5.学生の納付特例制度

学生については「学生の納付特例制度」があります。
親の所得に関係なく、本人の前年所得が118万円以下の場合に申請することで「猶予」されます

多くの場合、お子さんの国民年金保険料を親御さんが払っているかもしれません。この制度を使えば猶予が可能となります。

これも「猶予」であって「免除」ではありません。
10年以内に追納しないと、老齢基礎年金の額には一切反映されません。
しかし、手続きをしておくことで、受給資格期間には算入されます。

6.「未納」すると障害年金も受け取れない?

年金機構のサイトにも「未納のままにしておくと…」という項目があります。

ここで言われているのは2つ。

・障害や死亡時に障害基礎年金や遺族基礎年金が受けられなくなる場合がある
(初診日や死亡日の前々月までの被保険者期間の3分の2納付しているかどうか。または、前々月までの1年間に未納がないか)

老齢基礎年金を将来的に受け取れない場合がある
(上述で述べたように「受給資格期間」を満たすかどうか)

さらに。
上述しましたが。
保険料には国庫負担割合があり(税金分)、全額免除でもこれだけはもらえます。
手続きせずに未納にすると、この税金分も貰えないことになります。

障害年金については過去記事があります。

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7.国民年金保険料の納付義務をめぐる公的資料

まず、国民年金保険法に納付の義務が記されています。

国民年金法
第八十八条 被保険者は、保険料を納付しなければならない。
2 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
3 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。

そして、強制徴収ということもあります。
2018年に実施した状況について下記のように公表されています。

【参照】日本年金機構:「国民年金保険料強制徴収集中取組月間」の実施について
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/press/2018/201811/2018113001.files/2018113001.pdf

国民年金はまず支払うことが義務であり、強制徴収も起こりえます。
強制徴収に至らず未納のままでいると、障害年金が受け取れないなどの不利益を被ります。

まとめ

新型コロナで家計が厳しくなることも予想されます。
しかし、国民年金保険料は納付するのが義務です。

納付しなければいけないのに出来ない人のために、「免除」「猶予」制度があります。
2020年4月現在でも、ここで挙げたような制度は既にあります。

今後も新たに救済措置が設けられるかもしれません。
しかし、繰り返しますが、救済措置があるのも「本来払わなければならない」ものだからです。
何の根拠もなく、手続きもせず、ただ「未納」とすることの危険性は高いです。

当サイトで新しい措置が出れば発信していきますので、未納してしまう前に、「免除」「猶予」の可能性をまず考えて下さいね。

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