年金制度に不安や疑問があっても、障害年金の必要性を考えると…

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2019年8月末に年金制度の財政検証が発表されました。案の定、明るくはなさそうなんですが…。だからといって、あなたが個人で公的年金制度から外れようとするのは早計です。年金は老後だけでなく、障害を負った時にも支給されます。これを考えると、やっぱり公的年金はきちんと加入しておいた方が良いのです。

1. 医学の進歩で一命を取り留めて…その後は

障害年金のお世話になる場面。

それはもちろん障害を負った場面です。

これが増加傾向なのではないかと思います。

医学の進歩で、死産や若年での死亡、一定の年齢でも病気やケガで死亡するという事態を避けることはできるようになりました。

その一方、何らかの障害を負うという可能性も高くなりつつあると言えるでしょう。

また、昔は「変な子」だった扱いが発達障害と言う障害名で扱われるようにもなりました。

私の知人にも、ADHDで障害年金を受けている人がいます(障害と分かる前も分かってからも、ご本人は必死で求職活動をし、職を転々とされても上手く行かなかった結果です)。

「障害者」は“可哀そうな特別な人”ではなく、あなた自身もそうなる可能性が十分にあるのです。

なお、公的な障害年金
「症状が固定して、これ以上治療しても効果が期待できないと決まった日」
または
「初診日から1年6カ月経過した日」に障害である場合に給付されます

症状が固定することを、障害年金についての文脈では「治る」と表現します。
うーん。
日常生活の文脈からするとちょっと不思議な感じ。

でも、東京パラリンピックを控えた2019年現在、テレビCMなどで義手義足を使ってパワフルなプレイをする選手をお見かけすると。
「さあ!治療のステージから抜け出して再出発!」とポジティブに考えるべきなのかも。

↑義足のランナーを見て、往年の傑作「鋼の錬金術師」を思い起こしました。
ランファンとかカッコ良かったですよね!

2. だから公的年金保険は外せない

「障害年金」の重要性を説く場面で昔からあったのが、「公的年金保険に懐疑的な人」を説得する場面です。

景気が悪くなると、社会保険の保険料を払うかどうか懐疑的になる人もいます。
2019年8月の財政検証でも、確かに所得代替率が低下する可能性が大。
「どうせ老後たいしてもらえないんだろ」なんて捨て鉢な意見を吐く人も。

こういった場面で昔から言われていたのが「でも、障害年金はおりるよ」というもの。
国民年金や厚生年金は老後の「老齢給付」だけではありません。
同じ国民年金・厚生年金から障害を負った際に「障害給付」が下りるのです。

だから、公的年金保険から脱退すべきではアリマセン。

っていうか、義務ですから払いましょう(強制徴収という制度もありますよ)。
経済的に苦しい時には、手続きすれば免除される制度もありますしね。

障害年金を受給するには真面目に年金保険料を納めていなければなりません

国民年金(基礎年金)では、初診日のある月の前々月までに、全被保険者期間の3分の2以上納付している必要があります(免除の手続きをしていれば免除期間も含めることができます)。

厚生年金は基礎年金に上乗せしたり、障害の程度が軽かったりする人も対象とします

ここでも上記の障害基礎年金の保険料納付要件を満たしていることが要件です。

先に述べたように障害を負うことは必ずしも稀とは限りません。

きちんと年金保険を納めましょう。

※2026年までは保険料納付要件がやさしくなる特例の経過措置があります。
初診日のある月の前々月までの1年間未納なく払っていればOKです(免除期間もOK)

3. 民間の保険のセールスを受けたら、必ず思い起こしましょう。

Webライターの仕事で調べたことがありますが、現在民間保険でニーズが高く、保険会社が販売に力を入れているのが医療保険です。

私が上で述べたように、人は死ににくくなり、病気を抱えて生き続けるための備えが必要となってきました。

医療保険からさらに可能性を広げると、症状が固定して障害を負い就業不能となったり介護が必要となったりすることも起こりえます。

このリスクについての保険のセールスをする保険募集人も多くなりました。(私の夫も勧誘されました)。

民間保険を検討するときには、公的な社会保険も考慮しましょう。

実際に必要な金額について保険料を払って保険商品を購入すれば、それでいいのです。

3.1 民間保険が力を入れる医療保険や就業不能保険

人の生死に関わる保険が生命保険で第一分野の保険といわれます。

第二分野というのは損害保険、偶然の事故による経済的損失を埋めるものです。

生きている状態での病気やケガ、介護や就業不能状態などに備える保険は、上のどちらにも属さないので第三分野の保険といいます。

先ほどから述べているように人がなかなか死ななくなりましたので、生命保険会社(損害保険会社も)第3分野の保険に力を入れています。

消費者にニーズがあるから保険商品が生み出されているのか、保険会社が勧誘で煽るのか、鶏と卵のようなところはありますが。

ともあれ、保険の勧誘に「病気」「ケガ」「就業不能」「介護」に備える保険商品がいっぱいです。

さまざまな保険商品。さまざまな給付の種類とその金額。

「何が何やら」で選ぶのが負担な人も多いでしょう(心理学の教科書で読んだことありますよ、「多すぎる選択肢は負担に感じる」って)。

少なくとも金額については公的社会保険での給付を考慮しましょう。

公的年金で貰える金額を把握したうえで、それでも足りないと感じる金額を民間で補うのが保険加入の基本です。

金額が小さくなると「大きな買い物」というプレッシャーは減るでしょう。

3.2 公的な障害年金でいくら貰えるかも要チェック

障害等級は3段階あります。

  • 1級は日常生活に介護が必要なレベル
  • 2級は日常生活に著しい制限を受けるレベル
  • 3級は労働するのが著しく困難で制限されるレベル

要介護・日常生活・労働がカギですね。

基礎年金が支給されるのは1級と2級です
3級はありません

自営業・フリーランスの人は、民間の保険を手厚くしてもいいかもしれませんね。

2019年5月現在の年金額は

  • 障害基礎年金2級が78万100円です。
  • 障害基礎年金1級は2級の金額×1.25倍です

障害基礎年金は子どもに加算額があります。
生計維持関係にあって原則18歳になった後の年度末までです。
1人目・2人目には約22万円強、3人目からは7万円強が支給されます。

厚生年金は1,2級に加え3級もあります
1,2級では障害基礎年金に上乗せして支給されます。
3級は障害厚生年金のみです。

3級より軽い障害でも、一時金が支給されることがあります
これを障害手当金といいます。
ネットの情報では「4級」と表現されることもありますが、年金ではなく一時金である点は性質が違うものですよ。

障害厚生年金の計算では「報酬比例の年金額」がキーとなります。

これは老齢厚生年金の報酬比例部分と同じですが、若くてまだ10年しか納付していないとかでも(120ケ月ですね)、300月納付したとして扱ってくれます

(この場合だと、10年分の報酬比例年金額に120分の300を乗じます)

  • 障害厚生年金3級で「標準報酬比例の年金額」です
  • 障害厚生年金2級で「標準報酬比例の年金額」+配偶者加給年金です
  • 障害厚生年金1級で「標準報酬比例年金額」×1.25倍+配偶者加給年金

障害手当金は報酬比例の年金額の2年分となっています。
若い人だと報酬比例の年金額が低い人も多いかもしれません。
そんなときには、最低保証があります。
障害等級2級の基礎年金の4分の3相当額です。

受験テキストにはいくつか例題があります。

厚生年金に入っていて子供がいて奥さんがいて…といろんなパターンがありますが。
障害基礎年金で70万円代プラスα、障害厚生年金で100万前後ということも多いものです。

障害を負って働けなくなっても社会の公的なセーフティネットは上記のようにあります。
必要があれば、必要な分だけ保険なり貯金なりで備えればいいです。

まとめ

年金と言えば、老齢給付が話題になりがちです。

そして、確かに老齢給付についての損得を考えだすと、「なんだかなあ」な気持ちになる人も多いでしょう。

しかしながら、医療の進歩で「障害を抱えて生きる」可能性も高いことを考えるなら、障害給付が受けられるメリットはとても大きいものです。

老齢給付を中心とした情報にだけ振り回されず、障害給付についても考えてくださいね。

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