パートタイマーで厚生年金に加入する人、加入しない人

値札を張り替えるパートタイマー

一昔にはパートは職場の社会保険とは関係ないことが多いものでした。ところが、報道されているように、パート労働者を厚生年金に加入させる方向に制度が変わりつつあります。とはいえ、条件次第で加入するのかしないのかが異なる点が注意です。

1. そもそもパート先が厚生年金に入ってないことも

少し例外的ですが、正社員でも厚生年金の加入者とならないこともあります。

それは勤め先が厚生年金の適用事業所でなければ、正社員もパートも厚生年金の加入者にならないからです。

結論を先に書けば。
勤め先が従業員5人未満の個人事業所だと、厚生年金に加入していないことがあります。
業種によっては、従業員が多くても個人事業所であるかぎりは加入していないこともあります。

常時働いている人が5人未満の個人事務所は厚生年金の強制適用所ではありません
また、5人以上でも、農林水産業と理容・美容業、旅館などのサービス業、宗教業などは強制適用所ではありません
これらを任意適用事業所といいます。

このような職場では、フルタイムで働いていても、事業所が厚生年金に加入していないと厚生年金ではなく国民年金です。

パートで勤めに出ても、任意適用事業所だと厚生年金には入りません。

例えば。あなたのお友達もパート勤め、自分もパート勤めで同じ立場だと思っていても。
片方が旅館の従業員として働いている場合、どんな規模でも、その事業所が厚生年金に加入していなければ、国民年金です。

ただ、任意適用事業所は、任意なだけであって、手続きをすれば厚生年金適用事業所になることもできます。
すると、同じ旅館の従業員のパートでも、A旅館では厚生年金、B旅館では国民年金というこが起こりえます。

2020年のトピックとしては、これまで5人以上でも個人事業なら任意適用事業所だった法務業(弁護士、税理士など)も厚生年金加入とすると報道されました

なお、法人は全て厚生年金適用事業所です。

医療関係で、医療法人として開業しているのか、個人事業として開業しているのかで適用事業所かどうかは変わってきます
同じ医院パートでも、個人事業で5人未満だと厚生年金ではない可能性があります。

2. パート労働者で対象となる2パターン

勤め先が適用事業所だと前提とします。
そこでパートで働いていて、厚生年金被保険者になるかならないかには、2つのパターンがあります。

2.1 正社員の「4分の3」

適用事業所に使用される70歳未満は「当然に被保険者」とされます。

パートでも、「常時使用関係」があれば被保険者となります
週あたり、月当たりの働く時間が、正社員の「4分の3」以上で、被保険者となります。

正確には以下のとおりです。

「1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である方は被保険者とされます」

【出典】日本年金機構:適用事業所と被保険者
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/jigyosho/20150518.html

2.2 今後注目!条件を満たすパートタイマー

上記の4分の3にあてはまらないパートタイマーも条件によっては厚生年金加入者となります。

厚労省としては、厚生年金の加入者を増やしたいと考えており、この条件は緩められていく方向にあります。

2020年現在は、以下の内容を満たすパートタイマーが対象です。

  1. 厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の法人・個人の適用事業所
  2. 月額賃金1年以上の雇用が見込まれる
  3. 1週間の所定労働時間が20時間以上
  4. 月額賃金が8.8万円
  5. 学生でないこと

2020年の通常国会で改正案が審議されています。
上記1の「被保険者数501人」が、22年10月から「101人」、24年10月から「51人」と引き下げられるかどうかが決まります。

上記2の雇用の見込み期間も1年以上から2カ月へ短縮されそうです(22年10月予定)。

日経新聞の報道によれば(2020年1月4日)、この改正で中小企業のパートタイマーなど65万人が新たに厚生年金に加入することになるそうです。

あなたとお友達とで、勤め先の規模が違うから厚生年金かどうか異なっていても。
今後、どちらかが新たに加入するということも起こりそうです。

厚生年金に入ると、保険料負担が生じます。

ただ、この保険料は企業が半分負担してくれるものです。
そして、加入者には老後厚生年金が支給されます。

また、厚生年金と、勤め先の健康保険とはセットで加入します。
すると、パートタイマー自身が健康保険の被保険者となり、職場の健康保険から傷病手当金や出産手当金が受け取れるようになります。

保険料を払う分、保障も得られるのですが。
パートで働く人の事情によっては有難味もそれぞれかもしれません。
(私と同じ年位だと、もう出産もしないし、子どもが大学生でその間家計の補助として働いているだけで目先の収入の方が大事という人もいるでしょう)

3. 「入らない」ケースとは

1の「適用事業所」の内容とも関わりますが、一部の事業所では必ずしも厚生年金ではないことなど、再度振り返っておきたいと思います。

法人でない個人事業所で、5人未満の小さな勤務先は、強制加入適用所ではありません。
個人病院などでパートになる場合は要注意です。

サービス業などの一定の業種の個人事業所は、5人以上でも強制適用事業所ではありません。
旅館や飲食店などです(法人であれば強制適用事業所です)。

社会保険が完備された職場で働きたい場合には、法人で経営しているか、従業員が5人以上で強制適用事業所か、任意適用事業所でも加入していないかを確かめておきましょう

正社員の4分の3のパートタイマーは、条件に当てはまっていなければ厚生年金に入っていない人も2020年現在では多いでしょう。
ただ、今後、条件が緩くなるので、良くも悪くも加入者となることはあります

適用事業所に勤めていても、臨時でやとわれる人(2ケ月以内)、季節業務(4カ月以内)は、被保険者となりません

まとめ

厚生年金(とそれとセットの健康保険)は、保険料を負担する代わりに保障も得られます。

パートでも厚生年金に加入するようになりつつあるのが、最近の動向です。
ただ、これを歓迎するかどうかは人それぞれかもしれません。

自分の場合はどうなのか。

まず、勤め先が適用事業所であるかどうかが大事です。

それから、自分の所定労働時間が正社員の4分の3に当てはまれば、加入者となります。

「4分の3」未満でも、上記に挙げた条件を満たせば加入します。
この条件は、2020年1月現在改正が検討されています。

条件が緩和されて、パートタイマーの加入が増える方向です。
今は当てはまっていなくても、今後どうなるかわかりません。
ニュースなどの報道を注目しておきましょう。

当ブログでも発信して行きますので、ご覧くださいね!

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