確定拠出年金の加入期間延長で、シニア世代も検討しやすく?

年金運用

働くシニアを後押しするため、企業年金確定拠出年金の拠出期間が延長されると報じられています。長く積み立てればもちろん資産は増えますし、投資すれば資産寿命が延びる可能性もあります。一方、シニアでは資産の安定確保も必要。どうしましょうか?

1. 加入可能年齢が低いと「空白期間」が生じることも

実は、我が家が確定拠出個人年金の導入を躊躇っていました。
(企業型とはやや違う話ですが、共通する面もあるのでご参考にお読みください)

躊躇う理由は、2019年現在では拠出できる年齢が60歳までだから。

個人型確定拠出年金は最低でも10年加入していないと、給付がおりません

我が家は夫が50代に入っているので、60歳まで加入期間が10年を切ります。

加入期間が10年に満たない場合、60歳まで掛金を拠出し、加入年限に応じて支給年齢が上がります

掛金の拠出は60歳までと決まっているのに、60歳すぐにはもらえず空白期間が生じてしまいます
60歳からの受け取りを希望する人にはここがネックでしょう。

また、所得控除も受けられません。
掛金を拠出中は掛金の所得控除で税金がお得になるメリットがありますが。
掛金を拠出していない空白期間は、手数料の負担だけがあって所得控除のメリットがありません

※ただし
60歳手前までの所得控除でのメリットが何万円という単位ということもあり得るのに、空白期間にかかる数料はそれよりぐっと安いのならOKという考えもあります。

60歳手前なら所得税率も高く、20%の所得税率の人が20万円の拠出で税金が4万円お得になります(ざっくりとした考え方です)。
これが5年続けば20万円のメリットがあります。
空白期間に仮に5年間手数料を払うとしても、手数料(金融機関によります)が2000円で3年間でも6000円の損で済みます。

我が家は、夫が億劫がるのもありましたし、拠出金の所得控除が受けられない点を気にして加入を見送ってきました。

2. 70歳まで延長なら今のシニアにもメリットあり

2019年10月4日の日経新聞の1面で「企業年金、70歳まで加入」「確定拠出 期間を延長」と報道されました。
なお、個人型確定拠出も65歳まで延長だと図で示されています。

加入期間の延長で、今のシニアにとっても拠出終了と受給の空白期間ができなくて済みます。

2.1 確定拠出年金の所得控除が長期にわたる

確定拠出年金は、よく公的に説明されるよう3つの税の優遇があります。

拠出する掛金に所得控除、運用益も非課税、受け取り時も退職所得控除や年金所得控除の対象となります。

上記3つのうち確実にメリットを手にできるのが掛金の所得控除です。
運用益は出てみないと分からないし、受け取り時も他の退職帰任や年金次第では控除枠を使い切ってしまうケースもあるからです。

長く拠出できるのなら、確定拠出年金の確実なメリット、掛金に対する所得控除が受けられる期間も長くなります

2.2 運用益も長期でお得

先ほど運用益は出てみないと分からないと書きました。
もちろん、運用益が出ていればそれに非課税なのも有難い仕組みです。

拠出したお金を元本保証の預貯金で運用していて利子が付いた場合。
普通の預貯金なら約20%税が引かれますが、確定拠出年金ではそれがありません。
たいていの預貯金は複利で運用するので、期間が長ければ利子も複利効果を受けて増えますし、非課税なのはメリットです。

ただ、ご存知なように今の預貯金の利子って…雀の涙なんですよね(ため息)。

確定拠出年金を預貯金で行っている人は、運用益の非課税メリットよりも、所得控除による確実なメリットに照準を合わせていらっしゃる方が多いと思います。

ただ、金融庁としては資産寿命を延ばすために投資性のある商品を推奨しています。
投資である以上損をする危険もありますが、運用益が預貯金よりずっと高く得られる可能性もあります。
ここで「運用益が非課税」というメリットが、預貯金以上に威力を発揮する制度ではあるのです。

では、シニア世代も投資性のある商品に手を出すべきなのでしょうか。

3. 投資性商品に手を出すべきか

一般に、若い間はリスクの高い商品で投資をし、老齢に近づいたらローリスクな商品に移るべきだと言われます。

単純に、若い間に損をしても、その後の人生で取り返しがつくからという意味もあります。

もう一つ、投資は長期で行った方が損をする危険性を下げやすくなるからです。
確定拠出年金で長く拠出できるとなると、長期間の投資がこの枠でできるようになります。

長期投資でリスクを下げられるのは、時間を分散するからです。
100万円投資に充てる金額があっても、「ある時点で100万円を投資する」より「1月1万円で100カ月投資する方」がリスクを下げる効果があります。

投資では、誰もが「安いときに買って高いときに売る」ことで売買益を狙いたいものです。
とはいえ。
100万円の札束を握りしめて、「今が安値だ!」とまとめ買いをしても、本当にそれが安値とは限りません。
さらに値段が底を割りこんで、結果的に高値掴みだったと、後で振り返って分かることもあります。

1ケ月に1万円を100月だと上記のようなギャンブル性は低くなります。
また、1ケ月に1万円と購入額を定額にしておくと。
値段が高い時には1万円で買える量は少なく、値段が高い時には1万円で買える量は多くなります。
高いときに少なく、安いときに多く…これが全体的な平均購入価格を下げる効果があると言われています。
1万円ずつ投資する積立投資ですね。

これを確定初出年金の非課税枠で行える投資期間が長くなると、これらの長期積立投資のメリットも享受できることになります。
資産寿命を延ばすことを考えると、1%でも運用益は欲しいところですので、このメリットは大きいです。

とはいえ、加入期間が70歳まで延びたとしても、50代、60代で残り20年、10年というスパン。
これで長期積立の恩恵を受けられるか否かは、どちらの可能性もあり微妙です。

20代の若者と同じようにはいきませんが、10~20年もそれなりに長期です。
また、企業年金の70歳引き上げは、シニアが就労する期間が長くなったことを受けたものですので、給与収入があるならダメージは少ない面はあるかもしれません。
すると、長期投資のメリットも得られそうです。

もっとも、10年20年だとその間に大きな経済的な落ち込みがあっても、そこから回復するまで待つには時間が足りない可能性もあります。
(投資しても損したままで時間切れ)
また、60歳過ぎてどの程度働けるかは個人差もあります。
若い世代と同じとはいきませんから、長期投資は慎重になるべきだとも言えます。

中道を行く考えとしては、他の老後の資産をしっかり把握して、最低限を確保しながら自分のリスク許容度に見合った商品を購入するのが良いのではないかと思います

個人的には。
少し、投資に積極的でもいいかなと思います。

少額で投資に慣れておくと、投資やお金について意識的になります
自分で運用して上手く行ったり行かなかったり経験値がつくと、「ぼろい儲け話」を見抜きやすくなります。

現在、「投資をしましょう!」を声高に叫ばれている世の中です。
全く投資をしていないと、なんか時代に取り残された感じがするかもしれません。
その中で、いつまでも未知のままだと、極端な話「社会からの疎外感」まで感じるかも。

少額で、自分のリスク許容度の範囲で「たしなむ程度」に、社会参加だと思ってみられるのが、単にお金の面だけでなく、あなたの「現役感」を保持するのに効果的なのではないかと思います

ある週刊誌のシニア向け特集で、ずばり「認知症防止」と謳っているのも見たことありますよw

まとめ

確定拠出年金の加入期間が企業型で70歳、個人型で65歳に延長される方向で検討されています。

今まで個人型では、拠出とそれに伴う所得控除は60歳まででしたが、加入期間が10年より短いと受け取りは60歳すぐとはいかず、空白期間がありました。

50代前後のシニアにとって、加入期間の延長は長い時間を使っての資産運用が可能となる面もあります。

一方で、年齢が上がるにしたがって、リスクの高い商品から安定したものへ資金を振り向けるのも王道です。

シニアがどの程度リスクをとって資産運用をするかは、ケースバイケースです。
ご自身の年齢、運用期間、就労状況、他の確実な資産などを、総合的に考えてみましょう。

ワタクシとしましては。
資産寿命や、世の中全体が「貯蓄から投資へ」と動きつつあるので、ご自分のリスク許容度の範囲で「たしなむ程度」の投資をするのがいいのでは?と思います。

社会の変化にキャッチアップし、ご自身が実際に投資することで金融リテラシーも向上し、お金についての現役感が保てるなどの効果があると思うからです。

備忘録:シニア世代の就労率について、日経新聞では、労働力基本調査から60歳から65歳で68.1%、65歳から69%で46.6%と報じています。
元ネタは以下↓
【出典】総務省:「労働力調査(基本集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果の概要」
表5 年齢階級別就業率の推移
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf

追記:厚生労働省 2019年10月9日開催 第8回社会保障審議会企業年金・個人年金部会

 

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