「今50歳代で学生時代に国民年金に未加入」だとどうなる?を質問した体験談

大学

私はFP2級の有資格者ですが、我が家のプランニングでも分からないことが出てきます。今回、「50歳代でカラ期間がある」場合について教科書やネットの情報を確認するために年金機構に問い合わせてみました。すると!教科書に載っていない事実につきあたったのです…。

1 1991(平成3年)までの学生時代、国民年金どうしてました?

2020年現在、全ての20歳以上60歳未満の日本居住者が加入するのが国民年金です。

ところが、1991年(平成3年)3月末までは20歳以上の学生は加入しなくても良かったのです(任意加入)

現在50歳以上の人で、当時学生だった人には、20歳から何年か国民年金に加入していない期間が生じる人も多いはずです。

正確に言えば「1971年3月までに生まれた」人です。ですから49歳のあなたも要チェックですよ!

2 受給資格は大丈夫ですが、年金が満額もらえません

それで学生時代に保険料が未納だとどうなるのでしょうか。

「あなたは学生時代に未加入でしたよ」って言われても…当時は加入が任意だったんだし入ってないことで不利益を被るのは理不尽な気がしますよね。
大学生の頃だと、年金加入の判断も親任せだったと思いますし。

2.1 受給期間(老齢給付の場合10年)にはカウント

そこで…。
制度が変わったのは国の都合ですので、受給できるかどうかを判断する際には、加入していたものとして扱うことになっています。
老齢給付の受給資格期間は10年ですが、その10年にはカウントします。

しかし、保険料を納めていないので年金額には反映されません。
このように「受給資格期間」には含めるが、年金額には反映されない期間を「カラ期間』といいます。

2.2 老齢基礎年金が満額もらえない可能性も

50歳以上では「ねんきん定期便」で加入期間に加え、老齢年金の見込み額が通知されるでしょう。

その見込み額が満額とならない人は、学生時代に国民年金に加入していなかったという理由の可能性があります。

同じ年齢でも、20歳から60歳までずっと保険料を納付していて満額もらえる人と比べて、保険料を納めていない期間があるだけ基礎年金額が少なくなってしまうのです。

満額もらえないのもちょっと納得いかない人も多いでしょう。
そういう人のために増やせる方法もあります。以下でご説明しましょう。

【参考】日本年金機構:Q. 平成3年4月前から学生であったにもかかわらず、平成3年4月から国民年金の保険料免除期間とされているのはどうしてですか。
https://www.nenkin.go.jp/faq/kirokutorikumi/tokubetsubin/kisainaiyou/20150424-10.html

3 では、どうする?

「カラ期間」が生じるのは、国の年金政策が変化したものですので、救済策がそれなりにあります。

FPの教科書に載っているのは「国民年金の任意加入者になる」という方法です。

ただ…。私もてっきりこの方法が使えるものと思って、年金機構の電話相談に確認してみたのですが…。
我が家は別の救済策に該当するのだそうです。

3.1 教科書的には「国民年金任意加入」

国民年金は、上述の通り20歳から60歳までが加入します。
480カ月(40年)がスタンダードです。

60歳時点でこの480月に足りない人に、国民年金の任意加入制度があります。
国民年金の通常の加入期間が過ぎても、年金の増額を目的に国民年金に任意で加入できるのです。

いろんなケースがありますが、平成3年まで学生だから入ってなかった人もこの制度で年金額を増やすことも可能です。

↓この制度に該当しそうな方は、下記の日本年金機構のお知らせに詳細があります。

【参考】日本年金機構:年金の「未納」「未加入」「免除」期間がある 60 歳以上の方へ
あなたも国民年金を増やしませんか?
https://www.nenkin.go.jp/pamphlet/seido-shikumi.files/LN06.pdf

また、ご自身がこの制度の対象となるかは年金事務所に確認してくださいね。

3.2 これからは「厚生年金の経過的加算」がスタンダードでは?

我が家の場合、夫に学生時代の未納期間があります。
一方、夫の職場の定年が65歳となっており、65歳まで厚生年金の被保険者です。

この場合、厚生年金の被保険者なので国民年金には任意加入できません
(上記の日本年金機構のリンク先にもそう説明があります)

FP2級の私の頭にあったのは「厚生年金加入者は同時に国民年金に加入しているようなものなのだから、65歳まで厚生年金被保険者なら自動的に国民年金任意加入となっているのでは?」というもの。
ところが、制度の上ではそうなってはいないそうなのです。

結論から先に言えば、65歳まで厚生年金被保険者となることで年金は増やせます。そこは大丈夫です。

ただし。制度が違います。

私が先日、日本年金機構の電話相談に質問してみました。
相談相手の方がおっしゃるには。
「厚生年金保険から基礎年金に反映されるのは60歳まで」
「60歳過ぎても厚生年金が増えますし、経過的加算でも増えますから大丈夫ですよ」
とのこと。

厚生年金が増えるというのは報酬比例部分の話だと思ったので、私から「では、経過的加算の方が基礎年金をフォローする制度なんでしょうか?」と聞きました。
すると「ええ、そうですよ」とのこと。

この内容を一発で説明する公的なソースは探しても見当たりませんが…。
下記の日本年金機構のサイト内の説明が該当するのではないかと思います。

※昭和36年4月以前や20歳前、60歳以降の厚生年金保険の被保険者期間については、定額部分の被保険者期間の上限に達していなければ、経過的加算部分に反映することになります。
【出典】日本年金機構:老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20200306.html

この箇所が「特別支給の老齢厚生年金(定額部分)」についての説明なので、「え?我が家は『特別支給の老齢厚生年金(定額部分)』とは関係ないけど?」と思うとモヤモヤするのですが…。

下記のベテランFPさんのサイトでは、「実際には定額部分が支給されない生年月日・性別の人であっても」定額部分に相当する額を計算したうえで経過的加算額が決まるのだと説明されています。

【参考】FP奥野文夫事務所:65歳からの「経過的加算額」と65歳までの特別支給の老齢厚生年金の「定額部分」
https://www.syakaihoken.jp/15374955576245

※この記事が参考にしてらっしゃるのは以下のサイトです。
【参考】日本年金機構:老齢年金ガイド 令和2年度版 https://www.nenkin.go.jp/pamphlet/kyufu.files/LK03.pdf

その他、いろんなマネー系サイト様でも、学生時代の国民年金未加入は厚生年金の経過的加算でリカバリできるという記事があります。

また、参考になりそうな情報もここに上げておきます。

【参考】日本私立学校振興・共済事業団「65歳からの年金」
https://www.shigakukyosai.jp/nenkin/gaiyo/rourei/rourei01.html
【参考】:日本年金機構年金給付の経過措置一覧(平成 27 年度)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/sonota/2015040102.files/0000026764W594hy6ygX.pdf

年金機構の電話相談の人もおっしゃってましたし、これだけ状況証拠が揃っているのですから、信用していい情報だと思われます。
年金機構ももっとはっきりアナウンスして欲しいですね。

高齢者の就職を促すため、65歳まで働く環境が整えられています。
60歳から国民年金任意加入するより、65歳まで厚生年金被保険者である人の方がスタンダードとなるのではないでしょうか。

気になるのは、基礎年金のみ加入をフォローする経過的加算の制度が、厚生年金の一部だとされそうな点です。
繰り下げ受給するとか、年金分割するときに基礎年金なのか厚生年金なのか微妙に異なります。
また、調べて分かったことがあればご報告します。

まとめ

現在50歳代で20歳以上に学生だったことがある人は、基礎年金が満額もらえない可能性があります。

1991年(平成3年)4月まで国民年金の加入が任意だったからです。

この未加入期間は受給資格期間には反映されますが、年金額には反映されず(カラ期間)、そのため基礎年金が満額もらえないことになるのです。

一般には60歳以降も国民年金任意加入制度で年金額を増やす方法がアナウンスされています。

ただ、これから一般的になるであろうパターン=65歳まで厚生年金被保険者となる場合には、国民年金任意加入は使えません。

しかし、日本年金機構の電話相談では「厚生年金と経過的加算が増える」とのことでした。

ともあれ、60歳以降基礎年金を増やす方法はあり得ます。
ご自分がどの方法でリカバリできるのかご確認しておきましょう。

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