パート就労で扶養を外れて損になる?2019年でも残る130万円の壁

パートタイム

パート勤めで気になる「〇円の壁」。扶養から外れてしまうと損をしてしまうのでは?と心配な方も多いでしょう。この問題をめぐって近年次々と制度改正がありました。2019年最新の情報を、未だに高く立ちはだかる130万円の壁を中心にご説明します。

1. 扶養家族だと社会保険料を払わなくて済みます

夫がサラリーマンで、夫の職場で健康保険に加入している場合。
一定の要件を満たす扶養家族は、個人で保険料の負担をしなくてもよくなります

妻が稼ぎ手で、夫や子が妻の被扶養者でも同様です。
ここでは、多数派であろう夫が社会保険の被保険者、妻が被扶養者という前提でお話します。

なお、被扶養者は配偶者・子だけではなく、親や、広くは3親等内の親族を含めることができることもあります(本人との関係で要件は異なります)。

2. 夫の扶養となる条件としての「130万円の壁」

「扶養されている」と認められるには、「被保険者の収入によって生活している」という事実が重要です。

この線引きが「年間収入130万円未満」かつ「被保険者の年収の2分の1未満」です。

つまり、妻のパート収入が130万円を超えてしまうと、夫の所属する健康保険から「被扶養者」と認めてもらえなくなるのです。

一定の障碍者や60歳以上の場合は130万円の条件が180万円になります。
また、収入が夫の2分の1以上でも、130万(180万)円以下なら、諸事情を総合して判断の上、認めてもらえることもあります。

このように、税よりは、社会保険の方が個々の事情を汲みとってもらえる余地があります。
言い換えれば、健康保険によって判断が分かれることもあります。

「年間130万円」というのは過去の収入ではなく、今後の見込み額を指します
月額にすると108,333円以下である必要があります。

1ケ月でも上回ると「年間130万円が見込まれる」と機械的に判断するところもありますし、何か月かの平均で判断するところもあります。
年間を通じてどうなるか別に証明すればそちらで認められることもあります。
130万円の判断が微妙な場合は、夫の健康保険に問い合わせましょう。

被扶養者として認めるかどうかは、夫の健康保険が決めることなので。
妻が、妻の職場の社会保険に入るかどうかは以下で述べる要件で決まります。

3. 職場で社会保険料負担が生じるかどうか「106万円の壁」

夫が職場で健康保険に加入するように。
妻だって、職場で職場の健康保険に加入しなければならない場合もあります。

今までも、いわば「男並み」に働く女性がそうでした。
(「正社員に準じて」と表現する方が適切かもしれませんが、敢えて言えば)

2016年から、社会保険の負担を避けてパートを選んだ人が多そうな職場でも、保険加入するケースが出てくることとなりました
(ただ、保険加入にはメリットがあるので、その後の意識調査の結果では前向きにとらえているパート就労者の方も一定数いると明らかになっています)

3.1 昔からあった「4分の3」という規定

パートやアルバイトという立場であっても、一般の社員と同じように働いていると、保険に加入して被保険者となります。

この基準が、同じ事業所・同じ業務で働く一般社員と比較して、1週の所定労働時間および所定労働日数が一般社員の4分の3以上です。

この4分の3に満たなければ、職場での保険に加入しないことになります。

パートで働く妻なら、この範囲で働くことで職場の社会保険に加入せず、なおかつ130万円未満なので夫の職場の社会保険の被扶養者となる人が多かったでしょう。

3.2 2016年から始まった「106万円の壁」

今後増加が見込まれるのは、パート就労でも「106万円の壁」を超えることで、パート先の職場の社会保険に加入するというパターンです。

2016年から、一般社員の4分の3に満たなくても、以下の条件を満たすとパート先での社会保険に加入することになりました

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 1年以上雇用される見込み
  • 賃金月額が8.8万円以上
  • 学生ではない
  • 常時501人以上の事業所(その後、500人以下でも労使合意があればあてはまることに)

正確には月額できまるのですが、パート就労の壁は年収で呼びならわされてきたので、この制度も「106万円の壁」と言われることが多いです。

社会保険に加入すると、給料から社会保険料が引かれてしまい、手取りが減ることもあります

一方、自分が職場の社会保険の被保険者となると、自分に被保険者としてもメリットがあります
自分が病気やケガで休んだら健康保険から手当が出たり、老後の年金が増えたりします。
また、企業だと社会保険料を一部企業側が負担してくれもします。
106万の壁を越えて妻自身が社会保険の被保険者となることはデメリットばかりと言えません。

4. 「103万円の壁」と呼ばれていたものの注意点

これまでもパート就労には「〇円の壁」というのがいくつかありました。130万円と106万円については、上で述べたように社会保険に関するものです。

それとは別に、税や会社の手当に「103万円の壁」が残っていることもあります。

4.1 税の配偶者(特別)控除についてはあまり意味がなくなりました

所得税や住民税に、配偶者控除・配偶者特別控除という制度があります。

夫に、養っている妻がいるなら、その分夫の税の負担を軽くしようというものです。

2018年に大改正されるまで、「103万円」を超えると、配偶者控除のメリットが失われるため、この壁を意識して就労調整する女性も多くいました。

2018年以降、夫と妻の所得の組み合わせで、夫の配偶者控除・配偶者特別控除の額が決まるようになりました
(夫の所得が高いと、控除が受けられないか控除額が減ったりします)

配偶者控除・配偶者特別控除は、最大で38万円です
そして、この制度の恩恵を最大に受けられるのは妻の年間収入150万円までに拡大されました

また、以前もそうでしたが、150万円を超えても、控除額は段階的に減るだけで、いきなりなくなりはしません。
2019年以降でも201万円までいくらかの控除が受けられます。

昔の「103万円の壁」が「150万の壁」になったのは、150万円まで稼いでも控除額が最大となるので、女性にとっては壁が遠ざかってくれたともいえるでしょう。

その150万円の手前に、夫の社会保険の被扶養者かどうかが決まる「130万円の壁」が立ちはだかるので、今ではあまり税の配偶者(特別)控除の壁を意識する意味は薄れました。

妻の年収が130万円を超え、しかも妻の職場での社会保険に入れないと、国民年金・国民健康保険に加入することになります。

国民年金保険料だけでも年間約20万円弱かかります(月額が約1万6千円)。
国民健康保険の保険料の決まり方は複雑で、地域と年収によって様々ですが…私の住む京都市のシミュレーションで、年間収入130万円で計算すると月1万円弱となりました。
年間で12万円弱ですね。

「130万円の壁」はこえてしまうと、いきなり年間30万円近くの負担が発生します。
税の壁を気にする手前に、この大きな社会保険の壁があるのです。

4.2 会社独自の家族手当など要注意

税の「103万円の壁」は、税についてはそれほど気にする必要はなくなりました。
しかし、夫の勤め先企業によっては、その企業独自の妻に対する「家族手当」があることもあります

この手当の条件が、昔ながらの税の壁「103万円」としている企業も多いのです。
企業の手当が月1万円なら年間12万円、月3万円なら年間36万円違ってきます。

国税庁が「税の壁は(あまり)意味がなくなりましたよー。せっせと働いて下さいねー」と呼びかけていても。
そしてそれはそれで正しいとしても。
企業からの家族手当についても、注意しておく必要があります。

まとめ

パート就労の「〇円の壁」で、いまだ大きく立ちはだかるのは、夫の扶養であるかどうかを決める「130万円の壁」です。

今後、増加しそうなのが、パート就労として、年間「106万円の壁」を超えて、妻自身の職場の社会保険に入るケースです。
手取りは減りますが、受けられる給付などメリットもあります。

税の103万円の壁は2018年に大きく制度が変わり、あまり気にするものではなくなりました。
ただ、企業独自の家族手当などには注意が必要です。

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