ファイナンシャルプランナーは保険勧誘する?基本ノーですが…。

ファイナンシャルプランナーの資格だけでは保険の勧誘は「しない」というか「できません」。保険の勧誘をするには「保険募集人」という別の資格が必要だからです。同じ人が両方の資格を持っている場合に、その人が勧誘することはあり得ます。別だけど近い立場というのもあって、保険の募集の規定についてもFP受験で学びます。

1. FP受験生必須の基礎知識「保険募集人」とFPは別

ファイナンシャルプランナーの資格受験で、2カ所にわたって覚える項目。

それは「保険の勧誘は保険募集人しかできない」ということ。

受験では「FPと倫理」という箇所で、FPと他の資格者との関係が出題されます。
税理士や弁護士しかできない業務にFPは手を出してはイケマセン、といったことが問われます。
ここで「保険の勧誘」(保険を募集する、といいます)は、保険募集人しかしてはならないと学びます。

もう一ヵ所は民間生命保険についての学習内容です。
ここでも保険募集人が「できること」、それから「してはならないこと」を学びます。

保険募集人とは、保険の契約の締結と代理ができる人とを言います。

具体的にはいわゆる「生保レディー」や、保険ショップのカウンターに座っている人をイメージしていただければいいでしょう。

身近な存在ですが…なんと!内閣総理大臣の登録が必要です!

この登録をせずに保険募集をするとペナルティがあります。
結構重いもので、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(もしくは併科刑)です。

かたやFPは…
FPも国家資格なんですが、技能検定合格証書をくれるのは「厚生労働大臣指定試験機関」の日本FP協会理事長と金融財政事情研究会の代表理事の連名です。
……内閣総理大臣と比べるとちょっとサビシイw

というわけで。
FPの資格だけでは、保険の契約にタッチすることはできません。
ですから、「FPって保険の勧誘をするの?」という問いの答えは、「FPの資格だけでは勧誘しません、っていうかできません」というものになります。

2. 兼業できるので、結果「保険を勧誘するFPもいる」ことに。

とはいえ、
保険募集人とFP資格。
別にどちらか一方しか保有できないということもありません。
保険募集人がFPの資格を保有していることは十分あり得ます。

日本FP協会などが発信する情報でよく知られていることですが、純粋にコンサルティング業をしているFPは7%程度だと言われています。
どこの企業にも属さず、したがってどこの企業の商品の売り込みもしない中立的な立場。
独立系といいますが、まだまだ少数派。

反対に言えば多くのFPは、金融機関や保険会社、不動産業に既にお勤めの人が取得していることになります。
普段の業務に活かせることを期待して、企業の方から取得を推奨したり資格手当を支給したりすることもあるようです。

ただ、こういう企業系のFPは、その企業の立場の人ですから、当然その企業の商品を勧めようとする傾向はあるでしょう
保険募集人なら、自分が販売したい商品を勧誘しがちです。

FPと名乗る相手から、気が付いたら特定の保険商品を勧誘されていたということは起こりえます。

まずは「勧誘する=保険募集人しかできない」という基礎を必ず覚えましょう。
勧誘をし始めたら、その人は「独立系のFPではない」と考えた方がいいです。

3. 独立系も企業系も必ず知っておくべき「募集禁止行為」

私トリコは、独立系FPを目指しています。
保険会社に属すつもりはなく、保険の見直しなどを中立的にアドバイスできればと思っています。

私のような「保険会社の外の人」と「保険会社の中の人」とが机を並べてFP受験するわけで…。
考えてみると妙なものですw

合格後の進路が、「保険を売り込む立場」か「保険を見直す立場」のどちらであろうと。
保険募集について禁止行為とされるものは知っておかなければなりません。

保険業法によるものは以下のとおりです。

  •  嘘の事実を告げたり、重要事項を告げなかったりするのはイケマセン。
  • 保険に入るのに健康状態を「告知」する義務がありますが、それを募集人が「誤魔化しちゃえ」なんてそそのかしてはダメです。

以上は、刑事罰の対象だったりするほど重要です。
(1年以下の懲役または100万円以下の罰金もしくは併科刑)。

以下の規定は刑事罰ではありませんが、行政処分の対象です。

  • 不利益があるのに今ある保険を消滅させようとするのも禁止です。
  •  特別利益を提供することもダメ(飴ちゃんはセーフのようですがw)
  • 誤解を受けそうな表示をしてもイケマセン。
  • その他、保険契約者の保護に欠けるような行為が内閣府令で定められています。

4. 受験生泣かせ?2016年にはさらに改正アリ

受験勉強はまだ終わりません(泣)

この記事をご覧の方は「FPは保険の勧誘をするのか?」が知りたくてお読みくださっているんですよね?
また、検索ワード「保険」「勧誘」と入力すると、「しつこい」「断り方」なんて関連ワードも出てきます。
…潜在的に「保険の勧誘に不信感」をお持ちの方も多いのでしょう。

また、保険の勧誘も、1社専属制の生保レディーから保険ショップのような「乗合募集」も増えました。

くすぶる不信感、多様化する販売チャンネル…。
2016年施行の改正保険業法では、2つの基本ルールと、乗合代理店への規制を整備しました。

4.1改正保険業法の基本ルール

基本ルールは以下の2つです。

4.1.1 顧客の意向を把握しましょう

従前の「商品をセールスしてからの最後に『これでいいですね?』と確認する」のではなく。

勧誘する最初の段階で「病気や介護、死亡時の遺族保障や老後資金についてどのようなご意向ですか?」と確認してから、その意向に沿った勧誘をすることになりました。

モチロン最後の確認だって必要です。

4.12 情報提供義務を果たしましょう

上でも書いたように、従来の保険業法でも「嘘の事実を告げたり、重要事項を告げなかったりするのはイケマセン」とありました。

この「しないとイケマセン」という規定より踏み込んで、「するのが義務デス」と規定されました。

保険に関する情報、特に保険に加入するかどうかの適否を判断するのに必要な情報を提供することが義務付けられました。
具体的には保険金の支払い条件や、責任開始期とか、契約の失効とかです。

4.2 代理店など「保険募集人」への規制

1社専属であれば保険会社に規制してればそれで済んでいましたが。
そうはいかなくなりました。

改正保険業法では以下のような体制を整えるよう「保険募集人」に義務付けています。
「重要事項説明」「顧客情報の適正な取り扱い」「委託先管理を含めた業務の適切な運営の確保」です。

1社専属なら会社がしっかりしてればよかったんですが、保険ショップだと複数の会社の商品を扱うので、保険ショップ(乗合の保険募集人)の方に義務付けることになったのです。

乗合代理店(保険ショップ)の義務には、他にも

  • 比較して売るのなら、比較可能な商品の概要を明示しましょう
  • 募集人の方で特定の商品に絞り込むなら、その理由をきちんと説明するように(「だって、この商品売った方が儲かるんだもん」なんてのは論外です)

なお、「規模の大きい特定保険募集人」には特に2つの義務が課されています。
「保険ショップ」と聞いて「ああ、あそこ…」と思い浮かべるような大手がそうなんじゃないでしょうか。
正式には、所属する保険会社が15社以上、事業年度中の手数料収入が10億円以上の乗合代理店を指します。

こういう大手は、下記の2つの義務を負います。

  • 帳簿書類を保険契約締結から5年間保存
  • 事業報告書を、毎事業年度経過後3カ月以内に内閣総理大臣に提出

FPの資格を保険募集人の資格に付け加えて取得しようとする人は、既に業務を通じて知っておかなくてはならないハズです。

私のような独立系FP志望は、まずは受験合格に向けて覚えるのが第一w

私が首尾よく独立系FPになれて、具体的に保険の見直しの相談を受けたら。
「意向に沿った商品を提案してもらいました?」
「加入すべきかどうかの情報を提示されているはずですよ?」
「保険ショップで購入?それをおススメする理由は何だと言うてはりました?」
「保険ショップやったら、5年間帳簿を残してはるはずです」
なんてコメントができるようになる…んですよね?私w

まとめ

保険の勧誘は、内閣総理大臣に登録した保険募集人にしかできないので、FP資格だけではできません。

ただ、保険募集人でFPでもある人も多く、この人が保険募集人の立場で保険を勧誘することはありえます。
「FPが保険を勧誘したわけではない」のですが、誤解されることも多いようです。

どこの企業とも組んでいない独立系FPさんもいます。
私、先日、京都市内の商工会議所近くのビジネスビルにお邪魔しました。
法律事務所や司法書士事務所、税理士事務所がテナントとして入居している中で、FP事務所も複数ありました。

まあ、ここに事務所を構えている独立系FPさんは富裕層向けかと思いますが。
私がもくろむようにネットでコストをかけずに開業する、独立系FPも増えていくんじゃないかと思います。

独立系の場合「独立してます!中立です!」というのがウリです。
サイトや自己紹介時にアピールする人が多いでしょう。
もし分からなければ素直に「独立系ですか?どこかの保険会社から手数料貰う立場ですか?」と確認されたら良いでしょう。

検索ワードを見ていても不信感を持たれがちだと思われる「保険の勧誘」。
保険業法では禁止行為が定められています。

2016年には保険ショップの増加も踏まえ、より厳しくなりました。
受験生には覚えることが増えて大変なんですが…。

はっきりした規定があることで、保険会社の外の人からもアドバイスしやすくなる効果もあるでしょう。
将来開業する自分をイメージすると、受験勉強のしんどさは減るかもしれません。
頑張ってみますw

コメント

タイトルとURLをコピーしました