確定申告のやり方は?国税庁「確定申告書作成コーナー」は紙でも大丈夫

確定申告書とペン

確定申告がこんなに便利になりました!と最新ニュースが報道されます。ただ、最新でなくとも、国税庁サイトの「確定申告書作成コーナー」では、紙媒体のアナログでもデジタル(eTAX)でもどちらでも大丈夫ですよ。

1. 確定申告って何するの?基礎の基礎

ニュースで便利さがアピールされる確定申告。
最新の状態についてけないと、難しいものでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

概略を掴めば実はそんなに難しくありません。
(株式や土地・建物の売却、退職金など特殊な所得がある場合は別ですが)。

また、方法も。
必ずしもスマホで最新式のeTAXでなければならないこともありません。

今でも、税務署で貰って来た用紙に手書きだってOKなんですよ。
ただ、計算を自分で電卓でするより、ここで紹介する国税庁サイトの「確定申告書作成コーナー」を利用する方が自動で行ってくれるので楽だと思います。

まずは確定申告のアウトラインを把握しましょう。

また、サラリーマンは源泉徴収もされているので、その関係も押さえておきましょう。

1.1 確定申告のアウトライン

日本人には納税の義務があります。
所得に対して所得税がかかります(後述しますが収入と所得は違います)。

所得税では、一定の事情がある場合に、課税対象額を引き下げる仕組みがあります(所得控除)。
扶養家族がいるとか、医療費がかかった人は、一定額を課税対象額から差し引けます。

↑この納税額がきまるしくみについては過去記事があります。

「○○控除で税がお得になる」ってどういうこと?納税額の決まり方
年末調整や確定申告に向けて「税をお得にする裏ワザ」などの情報があふれる季節です。ここでは、表面的な「裏ワザ」だけでなく、もともとの課税の仕組みをご説明します。これを知ると、いわゆる裏ワザも理解しやすくなり、さらにご自分に最適な節税方法も見つ...

こうして決まった課税対象額に、所得税率を掛けて所得税の納税額が確定します。
これらの計算をして、税金の金額を確定させることを確定申告といいます。

紙で出来た確定申告書類だと、この全体像がわりと分かりやすいです。
左の欄を上から「収入」「所得」「所得から差し引かれる金額(所得控除)」と記入していきます。

国税庁サイトの「確定申告書作成コーナー」も、PC版では紙の確定申告書類のレイアウトをベースにしています。

全体像をつかむのに、紙の確定申告書類を一度ご覧になるといいかと思います。
ネット上でも書式は見られます。

【参考】国税庁:申告書類 Q12 所得税及び復興特別所得税の確定申告書はどこで入手できますか。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/03.htm

【参考】国税庁:確定申告書作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl

1.2 サラリーマンが確定申告する注意点

サラリーマンは月々の給与から税金を納めています。

この記事をお読みの方は、何らかの所得控除を受けたくて確定申告をしようとする方が多いかと思います。

勤務先では14種類ある所得控除のうち11種類まで行ってくれます。
しかし、残りの3種類(雑損控除、寄附金控除、医療費控除)は行いません

この3種類の所得控除があるために課税対象金額を低くできる人は、税務署に対して確定申告することになります。

サラリーマンが、勤務先で行ってくれない所得控除を行うために確定申告する場合。
収入や所得についての申告は、一からすべて行います。

勤務先の源泉徴収から足りない手続きを補うわけではありません。

後で述べるように、給与収入から給与所得を計算し、会社がしてくれた所得控除も確定申告時に記入します。
その上で、会社を通じて行わなかった所得控除を申告するのです。

2. 所得を記入します(収入から経費を引く計算)

所得税は、収入そのものものにかかるのではありません。
収入から、その収入を得るのにかかった経費を差し引いた「所得」に対してかかります。

サラリーマンにもこの必要経費が認められています。
給与所得控除といい、一定の決まりがありますが、源泉徴収時に会社が考慮してくれています(源泉徴収票にも「給与所得控除後の金額」という欄があります)

所得には10種類あります。
副業で収入があった場合も、その収入を得るためにかかった経費を差し引いたものが所得です。
(たいていの副業は雑所得となることが多いですが…。規模や継続性によって事業所得とされてしまう可能性もあるので、税務署などに問い合わせるとよいでしょう。
私も自分のライター業を聞いてみたことあります。私レベルだと「雑所得」でしたw)

経費として認められるもので、税務署の決めたルールがあるものは、確定申告書作成コーナーに算定の基礎となる数字を入力すれば、自動で計算してくれます

上述の給与所得控除もそうです(確定申告で「支払額」を入力すれば自動で計算してくれます)。

不動産所得の場合、所有している不動産の減価償却も必要事項を入力すれば行ってくれます。

それ以外の、あなたしか知りようがない経費は自力で入力します。

3. 所得控除を記入します(あてはまるならお得になります)

10種類ある所得のうち、やや特殊なものを除いて合計すると「総所得金額」が分かります。

退職所得や不動産株式等については合計せずに別に計算しますが、複雑なのでここでは割愛します。

総所得金額と、特殊な所得を合計すると「課税標準」と呼ばれる金額になります。

「課税標準」から14種類の所得控除を差し引きます

確定申告書に、源泉徴収票に載っている項目でそのまま変更がない場合は転記します。

勤め先に届けていないけれども、所得控除を受けたい場合は確定申告で行います。
私の見聞きした事例では、家族にデリケートな理由で障害者となった人がおり、障害者控除を、勤務先を通じてではなく、確定申告で行っている人がいます。
(ただ、住民税の関係で、ある程度は職場に知られる可能性もあります)。

もちろん、勤め先で行わない所得控除(雑損控除、寄附金控除、医療費控除)もここで記入します。

「ふるさと納税」は寄附金控除です。
「ワンストップ特例」などを利用していない、利用できない場合は確定申告で寄附金控除を受けます。

4. 課税対象額が決まります

先も述べたように、「課税標準」から、「所得控除」を差し引くと「課税所得金額」が決まります。

正確には、「課税総所得金額」と、やや特殊な所得についての課税所得金額とは別の取り扱いになります。

「確定申告書作成コーナー」では、あなたにしかわからない必要経費や、医療費・寄付金の額などは入力する必要がありますが、「課税標準」から「課税対象額」への計算は自動で行ってくれます。

5. 「税額控除」というものもあります

課税対象総所得に累進課税税率を掛けたものが、所得税額です(総合課税)。
↑特殊な所得は、これとは別の計算をします。

ここから、「税額控除」といって、所得税を直接低くする制度があります。

配当控除や外国税額控除が代表的ですが。
より身近なのは住宅ローン減税などでしょう。

住宅ローンで住宅を購入したり、耐震化するようなリフォームなどをしたりした人には、税金を安くする仕組みがあります。

マイホームの取得を応援したり、住宅の耐震化を促したり、それらで景気を刺激したり…といった政策上の目的で行われるものです。
なので。
政策を反映して、期限付きで様々な制度が創設されています
FP泣かせなトコロです。

6. 給与から納めすぎなら還付されます

先も述べましたが、サラリーマンは毎月の給与から、月々税金を源泉徴収で納めています

勤め先では手続きされていない、3種類の所得控除を反映していない税額を納めています
3種類の所得控除を反映させると、「税金を納めすぎていた」ということになります。

すると、税金が還付されることになります。
確定申告書には、還付される場合の振込先を記入する欄もあります。
還付されるときにはその金額が振り込まれます。

なお、確定申告時には、あなたの所得を一から申告すると述べました。
あなたに、勤め先で源泉徴収されている所得以外に、課税の対象となる収入があるとそれも確定申告時に記入します。
その結果、課税されることがあります。

副業などで収入があって確定申告で課税される金額と、所得控除で還付される金額次第では、還付ではなく追加の納税ということも起こります。

詳しい人は、「給与所得以外の所得が20万円以下なら確定申告しなくて良い」という規定をご存知かもしれません。

ただ、これは年末調整で税の手続きを終えることができる、というだけの規定です。
確定申告をするのなら、その20万円以下の所得も申告しなければなりません。

医療費控除や寄附金控除のために確定申告するなら、20万円以下の所得も申告する必要があります。

【出典】国税著:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人;確定申告を要しない場合の意義
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm

7 あなたのデジタル度に応じて提出を

「確定申告書作成コーナー」で作成したデータは、紙に印字して税務署に提出することも、eTAXとして申告することもできます

紙に印字すると、税務署で配られているような紙の書式に印字された状態で出てきます。
計算の自動化というデジタルの良さと、紙の書類を提出するという手慣れたアナログの良いとこどりができます。

先ほどから述べていますが、紙で一覧すると確定申告の仕組みがわかりやすいです。

eTAXは、申告書等のデータをデータとして送信するものです。
国税庁は年々利便化を図っていますが…。
2020年1月現在でも、添付書類を別途郵送や持参する必要があったり、事前準備が必要だったりします。

eTAXは、国税庁が「推してる」ので、いつかは出来るようになった方がいいと思われますが。
まだまだ、試行錯誤で改善の余地も残っている仕組みです。

最新の方法にキャッチアップできる人はそれが良いと思いますが、
「確定申告書作成コーナー」でまずは、申告書類を納得しながら作ることに専念する時期があってもいいように、私は思います。

まとめ

確定申告は、
1. 収入から所得を計算する(総所得金額を含む「課税標準」)
2. 所得から所得控除を引いて課税対象額を計算する(課税総所得金額を含む「課税所得金額」)
3. 税率を掛けて納税額を計算する
4. 当てはまる人は「税額控除」を差し引く
という流れです。

所得を計算するための必要経費や、所得控除を算出するための金額(ふるさと納税の金額など)は、自力で入力する必要がありますが。

国税庁の「確定申告作成コーナー」を利用すると、国税庁で決められたルールの計算部分は自動で行ってくれます。

これをeTAXで電子データで送ってもいいですし、紙に印字して提出してもいいです。

eTAXは推奨されていますが、事前準備も面倒です。
まずは、「確定申告書作成コーナー」を活用しつつ、紙で出してみるのもアリだと思いますよ。
紙で一覧となっていると全体像が掴みやすいとも思います。

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