「仕事辞めたい」と相談されたら。FPなら「失業手当」を説明だ!

悩む女性

FPの受験勉強は制度を丸暗記しようとすると辛くなります。具体的な相談場面を思い描いて想定問答してみましょう。友人に「仕事辞めたい…」と相談されて、失業手当(雇用保険の基本手当)について説明する場面にレッツトライ!

1. 雇用保険は正社員でもパートでも対象です。

雇用保険は「失業保険」という通称の方が一般に広く浸透しています

で、パート勤めで真面目な人だと「失業」という言葉に過度な重みを感じるかも。
私の友達なら言いそうです。

「もともと家計の補助で働いてただけだし。辞めても生活に困るわけでもないし」と自分に関係ないように考えてしまうかもしれません。
いやいや、雇用保険の対象かどうかはパートかどうかでは直接決まりません。

また、正社員でも勤め先の規模が小さく、個人商店に毛が生えた程度で「雇用保険」と縁がなさそうに感じる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

一方。
正社員ならまず対象なのは確実ですが、だからって基本手当(失業手当)がもらえるとは限りません(2で説明します)。

まずは、雇用保険の対象かどうかをまとめます。
雇用保険は原則すべての「雇用されている人」についてのものなんですよ。

1.1 人を一人でも雇っていたら「雇用保険適用事業所」

自営業者本人は誰にも雇われていないので雇用保険の適用は当然ありませんが。
その人に雇われている人が1人でもいたら、そのお店などは労働保険(雇用保険と労災保険)の適用事業所です。

雇用主がイマイチ詳しくなくて話が通らなければ、最寄りのハローワークに相談してみましょう。
(雇用保険の窓口は公共職業安定所=ハローワークです)

どんなに零細な勤め先でも強制的に適用されるもので、「立派な勤め先」かどうか関係アリマセン。

1.2 週20時間を31日以上なられっきとした対象者

正社員かパートかも直接関係ありません。

雇用保険の対象かどうかは、雇用期間(今後の見込みでもいいです)が31日以上で、所定労働時間が週20時間以上かどうかです。

パートでも31日以上週20時間働くなら立派な雇用保険の対象者です。
っていうか。
この要件を満たすと問答無用で強制的に被保険者です。

どーしても被保険者でない立場がいいなら…。
週20時間働かなければ雇用保険の対象者にはなりません。

社会保険料の負担を避けて就労調整する女性の中には、20時間を切る人もそれなりに多くいらっしゃいます。
ただ、社会保険料で負担感が大きいのは厚生年金じゃないでしょうか。

雇用保険の保険料で被保険者が払うのは一般的に賃金の0.3%です。
(正確には企業が0.6%保険料を負担して、全体では賃金総額の0.9%です)

月収10万円なら300円。
百円玉3枚で所謂「失業保険」に入れちゃうので、雇用保険料を理由に20時間を切る必要はあまりないと言えるでしょう。

こう考えると「失業保険」は結構身近なものなんですね。

※正社員かどうかとは別に、有期契約労働者の場合、雇い止めに合うと「特定理由離職者」という呼ばれ方をされることがあります。
でも、こういう名称での雇用保険の対象者であることには変わりありません。

2. 基本手当(失業手当)を貰うのはハードルがあります

とはいえ、実際仕事を辞めて失業保険を貰えるかどうかは別のハードルがあります。

勤め先選びに失敗したと思っても、失業手当について確実に給付を受けたいなら12カ月は我慢が必要とお話する方が無難かもしれません。
急いで付け加えると、企業がブラックなら6カ月でもイケル可能性もありますが…。

失業保険(雇用保険の求職者給付の基本手当というのが正式です)の給付の重要な要件に、被保険者期間があります。
過去2年間に通算12ケ月以上被保険者期間があること」が必要です。

会社が倒産するなど自分の都合ではどーにもならない事情での退職の場合には「1年間に6ケ月」です。
この場合は特定受給資格者といいます。

通算なので必ずしも同じところでなくてもいいですが、12カ月は働いていたという実績は欲しいトコロ。
我慢できるかどうか、ここの数字も考えてみましょう。

この12カ月が6カ月になるかどうかは自己都合か会社都合かです。

ここで注意!
自分で辞表を書いたら自己都合…とは限りません。

勤め先がブラックだったとか、パワハラを受けたとかで「やむを得ず辞表を書かされた」のであれば
ハローワークがその事実を認めてくれて、会社都合として扱ってくれることもあります
「もうダメ…」と思って辞めても、この可能性があるのでハローワークに事情を説明してみましょう。

なお、パート就労だと別のハードルがあるかも。
被保険者期間の1ケ月は、賃金支払いの基礎となる日数が11日以上を指します。
この点で、週2日程度のパートでは失業手当の給付が難しい可能性はアリますね。

被保険者期間以外に重要な要件もあります。
働く意思と能力があるにもかかわらず、就業できない」事実が必要です。
よく言われる、「失業手当を貰うにはハローワークにまめに足を運ばなければならない」とされるのはこの点が問題となるからです。

仕事を探しているという状態だと確認してもらうワケですね。

3. いくら貰えるの?という単純な質問が答えにくいんです

誰もが気になる「で。いくら貰えるの?」という話。
これがややこしいんです。
所定給付日数・受給期間・日額の3つを説明しなくてはナリマセン。

FPの受験内容は広く浅くなので、私自身も2級までのテキストではよく分かっていませんでした。
最近ようやく理解できましたので、その成果をご披露しましょうw

3.1 所定給付日数が決まってます

まず、所定給付日数と言うのがあります。
自己都合か会社都合か、何歳で勤続年数が何年かで異なります。

受験テキストには一覧表が載っていて主要なケースは暗記します。
自己都合で勤続年数(算定基礎期間)が10年未満は全年齢共通で90日分の給付を受ける権利があります。

20年以上勤めていたのに会社の都合で失業した45歳以上60歳未満は330日分です。
(↑確かに深刻ですよね)

3.2 原則1年の受給期間があります

これと別に受給期間というものも定められています。
2級までの受験勉強では両者の関係がよく分からずじまいでしたが、1級のテキストでようやく分かりました。

原則1年の給付期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても給付されない」そうです。

所定給付日数は「〇日分受け取れる権利」、それを受給期間の1年以内で消化するとイメージするといいでしょうか。

ええと。
所定給付日数が150日と決まっている場合を例にすると。
150個入りのクッキー1箱を一日1枚食べても良くて、消費期限は1年間、というイメージ。

受給期間は退職日の翌日から始まります。
所定給付日数は手続きをして何日か後にスタートします。
だから退職後手続きが遅れると消化しきれないことも起こりえます。
(工場から出荷されたクッキーを消費期限間近に購入するようなもの)

この消費期限…もとい受給期間は、病気やケガ・妊娠出産で「そりゃ働こうにも働けへんわ」という場合には最長3年間延長されます。

60歳以上で定年などの場合も1年延長。
これは年齢と事情からして職探しが難航すると思われてるから?と私は推測したのですが(受験テキストは理由まで詳しくないので私の方で想像するしかw)
東京ハローワークのサイトには「休養したい方」とありました。
「定年まで勤めあげてご苦労様」という趣旨のようですね。

3.3 日額の決まり方

所定給付日数分をきちんと受給期限までに消化するとして。
では、1日あたりいくら貰えるのでしょうか。

これも受験テキストには「分かるような、分からないような」説明が。

60歳未満なら勤めてた時の日額の50%から80%です。
(65歳以上なら45%から80%)

これでも1級向けのテキストは親切な方で「元の賃金が低い人ほど高い率になる」と説明してくれてます。
(2級までにはなくてチンプンカンプンでしたw)

他の関連書籍によると、制度の趣旨としては「生活に困らないように」という配慮によるようです。
低賃金の人は80%に近い高率にして「最低これくらいはいるよね」と。
高賃金の人は「もともと高給取りだったんだから50%でも困らないよね」と。
複雑な計算式により、両者の中間の人は両者の中間の金額に落ち着くようになっているそうです。

パート主婦や若手の正社員で賃金が高くなくても、低賃金の方が効率よく日額に反映されます。

ここでは詳しく述べませんが、他の要因を加味しても2000円弱は貰えるようです。
※下限額が別に定められています。
その時点での統計データにもよるので、ピタリとした数字はここではぼかしておきますね。

4.おわりに

友人から相談されたら。
まずは雇用保険が頭にないようでしたら、どんな働き方でも雇用保険の対象であることを説明します。

基本手当(失業手当)を確実に貰うためには、11日以上働く生活を通算で12月以上送った方が良いと伝えるのが無難でしょう。

ただ、勤め先に問題があって辞めたい気持ちが切羽詰まっている場合。
ハローワークが会社都合にしてくれて6カ月以上で済む可能性を伝えるべきですね。

所定給付日数と受給期間、日額については上記の内容を相手に合わせて手際よく説明していきます。

以上で私の脳内想定問答は円満に終わったことになっていますw
ちょっとはFPらしくなれているでしょうかw

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