高齢者免許返納のメリットをお金で説得するには。FPライターとしての知見から。

車と事故とお金

高齢者による交通事故が相次ぎ、高齢者の免許返納が話題となりました。大手週刊誌でもどう説得するかのノウハウが書かれています。その中でFPとして見逃せないのが「金銭面でのメリットの説明が効果的」と言う指摘。とはいえ、具体的にどれだけメリットがあるのか。最近ライター仕事で調べた内容からまとめます。

1.はじめに

Webライターの仕事で車関係の仕事が舞い込みました。

これ自体は若い人向けメディアからの依頼で「これから購入する人へのアドバイス」が内容だったんですが。
ネットで調べてみて「車を持つとはこんなにお金がかかるのか!」と驚きました。

実は私、普通免許も持っていないんですよ…。
人口100万人以上の都市部でしか暮らしたことがなくて。
実家も婚家も自家用車を持っていません。

また、FPの受験テキストにも「車を持つこと」のコスト自体は載っていません。
住宅購入とか年金とか納税とか、必要性が高いものや規模の大きなトピックを扱うので。
なので、車にかかるコストを具体的に知ったのは、このライター仕事が初めてです。

近年話題の高齢者免許返納問題は、いかに高齢の方を説得するかが課題だそうです。
大手週刊誌とかでの記事中に「金銭的なメリットを挙げると効果的」とはあるものの…。
具体的な金額は述べられていませんでした。

せっかく仕事で「車を持つコスト」を調べて驚いているところなので、こちらでご紹介しようと思います。

2. 購入費

車はそれなりに高価な買い物です。
FPの受験ではもっと大きな費目を扱うので、受験としてはこれだけで問題になることはあまりないようですが。

ただ、CFP用の公式受験テキスト(分厚い!)にオートローンについての説明は少しありました。
後でご説明しますね。

2.1 相場

Webライターの記事で調べたところ、定説となっているのは「購入費は年収の5割」なのだそうです。

年収500万円の人は250万円の車を、年収1000万円の人は500万円の車が購入の対象となるようです。

昭和というか平成の価値観で、「乗っている車がその人の経済的ステイタスを表す」ものとされていたのは、私もぼんやり見聞きしてはいました…。

高齢の方だと自分のステイタスだと思って保有したいと思う方もいらっしゃるのかもしれませんね。
後で述べる「車を手放すメリット」と秤にかけてもらうしかありません。

2.2 オートローン(カーローン)

まとまった額の出費ですので、ローンを組む人が多いものです。
ライター仕事で調べたところ、年収の30%から40%程度を借入額とするのが一般的なようです。

CFPの受験テキストでは「オートローン」は「目的別ローン」の一種とされています。
目的別ローンとは「資金使途が確定している場合に担保なしで借りられるローン」のことです。
銀行などが扱うもので、受験テキストでも「ある都市銀行の事例」が紹介されていました。

ローンと言えば「住宅ローン」の広告を目にされる方も多いでしょう。
中には0.4%という低金利もありますが。アレは「住宅ローン」ならではの金利です。

オートローンはオートローンで別の金利があり、探せば1%代もあるかもしれませんが、2%程度は見といた方がよいものです。

既に購入済みでローンが残っている人は、金利付きの返済をしていることになります
利子、もったいないですよ!

3. 維持費

維持費もまとまった金額が掛かります。

それぞれ払うタイミングなどが違うために「車の維持費」を意識することが少ないかもしれません。

その都度払っているそのコスト。
全部足したらこれだけで、車を手放したらそれだけ自由になるお金が増えますよ!

3.1 法定で決まっている出費

支払うこともその金額も決まっているのが税と自賠責保険。削りようのない出費です。

支払うのは義務だけれど金額に幅があるのが車検などです。これも削るにも限界がありますね。

3.1.1 自動車税・重量税・自賠責保険

自動車税は総排気量で異なりますが、「1リットル超1.5リットル以下」の車で3万4500円です。

重量税は「1500超2000kg以下」でエコカー減税対象以外の経過年数13年の場合、2年ごとの車検時に3万2800円を支払います。
1年では1万6400円ですね。

自賠責保険は必ず入らなければなりません。
車検を受けるタイミングで空白期間が開かないよう25カ月払うことが多く、自家用車で2万6680円です。
1年では約1万2800円です。

税と自賠責保険で1年あたり6万7800円です

3.1.2 車検・法定点検

車検を受けるのは義務ですが、依頼する業者によって様々です(車検時に払う重量税や自賠責のように金額が決まっている部分は除く)。
もう少し高いところもあるようですが、2年に1回が6万円としておきます。
1年では3万円ですね。

車検と別の制度に法定点検があります。
12カ月に1回で相場は1万円だそうです。

車検・法定点検で1年あたり4万円です。

3.2 節約はできるが質は落とせない出費

自動車任意保険は、任意とはいえ、まず入っておいた方が良いものです。

自賠責保険での備えには限界があります…。

強制加入の自賠責保険で保障されるのは、対人賠償事故のみです。
(被害者1人当たり)

  • 死亡時に3000万円
  • 傷害時に120万円
  • 後遺障害については程度により75万円から4000万円です。

近年話題の交通事故を考えてみましょう。
これだけで済むとは言い切れません。

また、自賠責保険保険は対人補償だけで、モノに対する補償は対象外です。

賠償金額や補償の範囲が自賠責保険を超える場合、それは自己負担です。
自賠責保険では対応できないリスクに備えるのが自動車任意保険であり、補償の質は落とすべきではありません。

保険料金はその人の年齢や事故歴など保険加入者の条件、補償内容、それから保険会社の料金プランなどで決まります。

保障内容のうち、自分の車が壊れたケースなどを対象とする車両保険は外しても誰にも迷惑はかかりませんが。
他人様に対する補償はケチらない方がいいですよ、そりゃ。

同じ補償内容で、ネットからの申し込みで安くなるとかそういった理由で節約を考えるのはOKでしょう。

私のライター仕事で見た参考サイトでは8万円前後でしたが、これは若い人向けの数字。
高齢者ということで、自動車任意保険料はやや高めに10万円としておきます。

3.3 節約しても構わない出費

駐車場代は人それぞれ、地域それぞれです。

「近くがいい」「屋根があった方が…」という条件を外して節約するのは可能です。
本当にそれぞれですが、ここでは仮に月1万円、1年で駐車場代は12万円とします

燃料代は、走行距離と燃費、ガソリンの値段で決まります。
走行距離は通勤と週末のレジャーに使う世帯で月800㎞~1000㎞のようですが。
高齢者ということで600㎞としておきます。

燃費が12km/L、ガソリン代が130円/Lとすると…。
一カ月で6500円、1年で燃料費は7万8000円です

4. さあ、維持費を足してみましょう!

これまで見てきた維持費を合計してみましょう。

  • 自動車税・重量税・自賠責保険が6万3700円
  • 車検・法定点検で1年あたり4万円
  • 自動車任意保険が10万円
  • 駐車場代が12万円
  • 燃料費が7万8000円

合計すると、約40万円となりました!

5. 車のコストを片手に説得しましょう!

ローンの支払いを年間20万円とし、維持費が40万円なら、1年で車を持つコストは60万円。
一月5万円です。

ちなみに、老齢基礎年金って大体月6万円強です。
それと同じくらいのお金が浮くことになりますね!

5.1 代替の交通手段の費用だって大丈夫!

「自家用車のコストが浮いても、他の交通手段に費用がかかるし…」とお思いですか?

公共交通機関が無料・割引になったり、他にも地域で特典がありますよ!

自治体が、免許返納した人に公共交通機関の無料パスや優待券を贈呈するケースも増えてきています。
タクシー代が割引となることもあります。

買い物の足の代わりに、スーパーなどの小売業者が配送料をサービスしてくれることもあるようです。

「高齢者に免許を返上してもらおう」というのが世の流れですので、自治体など公的機関だけでなく、民間企業も「協力してまっせ―」といろんな割引を用意しています。
お住まいの地域でどれだけお得になるか情報を集めましょう。

それでも残った分は自分の財布から出すワケで、そこに抵抗感がある高齢者もいらっしゃる?
でも、そのお金、車を保有していたら確実にお財布から出て行ってたものですよ?
月5万円くらいは、以前と出費は変わらないのですから代替の交通手段に使ってもつじつまはあいますよ!

5.2 楽しい使い道を考えてみましょう!

代替の交通手段に使わなかった分は、お小遣いが増えるようなもの。
何か楽しい使い道を考えてみると、免許返納にも前向きになれるかもしれません。

代替の交通手段でタクシーを利用するのも楽しいかもしれませんよ?

私の体験談をお話します。
タクシー利用の温かい思い出です。

最初に書いたように、私自身は車を所有したことはアリマセン。

子どもが中学受験で学習塾に通っていた時期。
中学受験の直前は夜の10時を過ぎるのでお迎えに行っていました。

街中なのでバスもありましたが、この時間帯だと本数は少ないです。
それに夜10時を回って帰宅するのですから、一刻も早く自宅に到着して少しでも休ませてやりたいものです。

↑マイカーをお持ちのご家庭なら「持ってて良かった」と思う場面です。

それでも、普通免許を持っていない私の場合、今からこれだけのために免許の取得から始めるのは現実的ではありませんでした(通りそうもないw)

その学習塾は駅のそば。
タクシー乗り場にいつも客待ちのタクシーが何台も待っているのです。

自宅と塾との1回あたりのタクシー代と、受験終了までの通塾日数を考えて、当時の私は「タクシー使った方が得」と判断しました。

良かったのはお金だけではありません。
ハンドルを握るお母さんはできませんが、客席に座っている私は、移動中、電子書籍などを片手に子どもに社会や理科の暗記科目を口頭で吹き込んでおりましたw
「お米の生産地、上位5都道府県はどこ?」とか「アブラナのおしべの数は?」とか。
…ええ、うちの子あまり賢くないので手が掛かったんですよw

自分でハンドルを操作しないのですから、車内で好きなことができますよ。

また。

そうやって受験生なのが分かると、運転手さんに励ましてもらったことも何回かあります。w
中には、降車時にお金を払うと、その中から100円玉をつまんで子どもに渡してくれた運転手さんもいらっしゃいました。
運転手さん「君、えらいなあ。ほら、これでお母さんに冷たいアイスでも買うて貰い~。頑張りや~」と。

↑この100円玉。アイスに使わず記念にとってあります。私にとって心温まる思い出です。

以上は私の体験談ですが。
タクシー会社と相談して、出来る範囲で気の合う運転手さんに来てもらったら、話し相手も務めてもらえるのではないでしょうか。
また、いろんな人を乗せてきた運転手さんのお話も刺激的かもしれません。

まとめ

車を購入すると、購入費用そのもののほか、金利もつけてローンを返済します。

所有中は維持費だってかかります。
節約できそうなものを考慮しても年間40万程度は見といた方が良いでしょう。

免許を返納するとこれらのお金が浮きます!

世の中「免許返納キャンペーン」ですから、調べればいろんなお得があり、車の維持費で浮いた分を代替の交通手段などに費やす割合も減らせそうです。
さあ、何に使いましょうか?

代替で別の交通手段を使うことにだって楽しみがあります。
私はタクシーを自家用車代わりに使いますが、運転手さんとのやり取りも楽しいものです。
鉄道やバスを使う楽しみもあるかもしれません。

免許を返納するとこれだけお得、そのお得でこれだけ楽しく過ごせる。
高齢者とご家族との間で円満に免許返納のお話ができるといいですね。
この記事が、そのお役にたてたら嬉しいです。

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