もらって嬉しいお給料。「額面」「手取り」「所得」「可処分所得」の違いとは?

給料袋

そろそろ4月。就職して新社会人となる人、そのご家族もいらっしゃるでしょう。ここで、お給料にまつわる用語を整理しておきましょう。

1. 公的な意味があるのは?

給料という言葉は、勤め先企業から貰う金額で一般的な用語です。
通常は手当も含みます。
公的には「給与」と呼ぶ方が正確です。

「給与」という言葉は、税の世界ではっきり決まっています
所得税のかかる収入は、その収入の性格によって10種類に分けられており、「給与」かどうか厳密に決まっています。

同じく「所得」という言葉も税の世界ではっきり決まっている用語です。
次の2.で述べます。

10種類の例を挙げると、事業で得られたなら事業収入(所得)であり、利子や配当なら利子所得・配当所得です。企業から貰うものでも退職金は退職所得で別となります。

「可処分所得」は、ファイナンシャル・プランニングなどで一般にこのように使うという用法は決まっています
ただ、法律上の定義があるわけではありません。

「額面」「手取り」も、概ね常識的な意味が定まっていますが、法律レベルでの定義はありません。

2. 給与収入・額面が相対的に大きい括りです

給与収入は給与として支払われた額を指します。
ここから、「サラリーマンの経費」として給与所得控除を差し引いたものを、給与所得といいます。
ですから、「給与(収入)」>「給与所得」となります。

「額面」も、勤め先から受け取ったお金の総額を指すものです。
この場合、各種手当も含めるのが通常です。

「額面」と対をなす言葉が「手取り」であり、受取った額から税や社会保険料などを差し引いて、手元に残った金額を言います。

ですから、「額面」>「手取り」

3. 収入から経費を引いたものが所得

「収入から経費を引いたものが所得」というのは、事業所得が一番イメージしやすいでしょう。

ケーキ屋さんを例にしましょう。
200万円の収入があっても、原材料などの経費が150万円かかるなら、このケーキ屋さんの事業所得は50万円です。

所得税の対象となるのは50万円の所得です。
いわゆる「儲け」ですね。

3.1 給与収入でも「経費」が認められる

サラリーマンは仕事に必要なものは会社が用意します。
また、一定の交通費は非課税です。
厳密に言えば、必要経費は原則認められません。

ただ、自営業が経費を認められることから、サラリーマンにも一定の「経費」のようなものを差し引くことができる決まりとなっています。
これを「給与所得控除」といいます。

この給与所得控除は収入によって決まっています。
2020年に改正がありました。

給与所得控除については過去記事があります。

給与所得控除で決まる、確定申告時に知っておきたい給与収入と所得の違い。今後の見通しも。
所得税は文字通り「所得」に対してかかります。収入から経費を差し引いたものが所得です。サラリーマンの給与収入にも差し引くことができる経費が決まっており、これを給与所得控除といいます。サラリーマンでも確定申告をする人はその違いをおさえておきまし...

3.2 「所得」と「課税所得金額」は別

収入ではなく、所得が所得税の対象なのですが。
この所得にそのまま所得税率が掛かるわけではありません。

所得から、その納税者の個別の事情により、各種所得控除を差し引いて「課税所得金額」が決まります

所得控除とは、配偶者控除や扶養控除、生命保険料控除、医療費控除など14種類あります。

ホント人それぞれですが、高校生の子どもが1人いて生命保険も平均以上に加入していれば…。

誰にでも認められる基礎控除48万円(2020年から)、扶養控除38万円、生命保険料控除12万円が課税対象から外れる可能性があります。
例に挙げた額を合計すると98万円ですね。

イメージしやすいように架空の例です。
実際には社会保険料を払っているでしょうから社会保険料控除も加わるでしょうし、逆に生命保険のかけ方によっては生命保険料控除が少ないこともあります。

所得控除があるので、所得>課税所得金額となります。

なお、所得税と住民税では所得控除の額が違うため、住民税の課税対象となる金額も微妙に異なります。

そして、住民税の課税対象となる金額は行政サービスのための判断となることもあります
高校の学費無料化とか、保育園の保育料などです。
どこで線引きするのか細かな規定がありますので、詳しくは直接問い合わせてくださいね。

4. 可処分所得は概ね「税と社会保険料抜き」

ファイナンシャルプランナーのテキストでは、「可処分所得」=「給与収入から税と社会保険料を引いたもの」となっています。

税と社会保険料は納付が強制されているものですから、自分で好きに使うことはできません。
この2つの強制的に納めるお金を引いた、「自分で好きに使えるお金」が「可処分所得」です。

私は日経新聞を購読していますが、新聞報道でもこのように使われています。

ただ、日常用語で「自分の好きに使えるお金」として「可処分所得」という場合は、やや曖昧です。

「自分の好きになるお金」として、自分の意思で給与から天引きにしている積立貯金なども引いて自分の銀行口座に振り込まれた額をイメージする人もいるかもしれません。

また、もっとカジュアルに、「今、オレ、可処分所得こんだけなんだよー」と言いながら財布の中身を見せる場面もあるかもしれませんねw

法律できっちり定められたものではないので、相手がどのような意味で使っているかは場面によるところもあります。
正確を期す場合には、きちんと確認した方が無難でしょう。

語尾に「所得」とついていますが、今まで述べてきたように意味が違うので、「所得」と「可処分所得」の金額は異なります。

5.「額面」と「手取り」

「額面」と「手取り」も、日常用語に近いですが。
通常は、額面といえば、勤め先企業があなたに支払った額全て(手当も込み)を指します
給与収入に近い言葉です。

「手取り」は、額面から税と社会保険料を引いたものを指して使うことが多く、上述の「可処分所得」に近いものです。

「可処分所得」と同じく、自分の口座に入ったお金をイメージすると、自分の意思で天引きにした積立貯金などをどう考えているかで金額が異なってしまいます。

「可処分所得」より日常用語としての性格が強いので、正確を期す場面では確認が必要です。

まとめ

「給与収入」「所得」(「課税所得金額」)は税の世界では意味がはっきり決まっています。

「可処分所得」もファイナンシャル・プランニングやマスコミ報道では同じものを指しますが、日常で使われている場面では口にする人次第な面もあります。

「額面」「手取り」はより日常用語に近く、概ね常識的な用法はありますが、重要な場面では何を指しているのか確認しておいた方がよいでしょう。

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