チュートの徳井さん、社会保険もですか? FPが規定をおさらいします。

漫才

脱税疑惑が報じられている徳井さんですが、社会保険も未加入だと報じられました。「法人として加入してなかった」とのことです。法人が社会保険に加入するとはどういうことか基礎をおさらいし、徳井さんの立場を考えてみたいと思います。

1. 社会保険(5種)は原則、強制加入

まずは、徳井さんが社会保険に加入していなかった件について、吉本興業の発表がありました。
吉本興業:お知らせ 2019年10月26日「チュートリアル徳井義実の税務申告漏れに関するご報告」
https://www.yoshimoto.co.jp/corp/news/media/media191026_2.html

最後の方に、法人として社会保険に加入していなかったことも述べられています。

社会保険について、FPの受験テキストでは広義で5種類、狭義で3種類あります。
この違いが、ひょっとしたら徳井さんの誤解につながった可能性もわずかにあり得るかもしれません。

社会保険は、国が強制的に保障制度として行っている保険です。
個人が加入するのはもちろん、法人も強制加入が原則です

狭義の社会保険は、医療保険、介護保険、年金保険の3種です。
広義の社会保険は、労災保険と雇用保険を加えた5種です(この2種類を労働保険といいます)。

労働保険(労災保険と雇用保険)は、労働者を1人でも使用するなら強制適用です。
ただ、徳井さんの場合は自分1人だけの会社で「雇っている人はいない」状態なので、加入しなくてもよい可能性は高いです。
↑労働保険については、ですよ。

徳井さんに目一杯好意的に解釈すると、労働保険に入らなくて済むなら他の社会保険に入らなくてもいいと解釈した可能性もあるのかもしれません。
(後述しますが、マチガイです)

2. 社会保険(3種)と労働保険(2種)

狭義の社会保険3種と労働保険2種とで、少し例外規定が異なります。

この点を取り違えて、なおかつ我流で解釈すると、徳井さんが社会保険に加入しなくても構わないという誤解につながった可能性はあります(徳井さん寄りに考えれば)。

2.1 社会保険で個人事業に例外アリ

狭義の社会保険3種は、法人であれば全ての事業所で強制加入です
社長や役員も含みます

吉本の発表によると「2009年の法人設立時に社会保険の加入手続きをしていない状況が続いておりました。速やかに加入手続きをいたします」とあります。

繰り返しますが、法人でしたら規模も業種も関係なく強制加入です。

ところが。
個人事業であれば、従業員5人以上で強制加入となります(被保険者は正社員の他、一定のパート労働者も含みます)。

従業員5人未満なら、加入が任意となることもあります
また、職種によっては5人以上でも加入が任意なこともあります(サービス業や農林水産業など)

徳井さんが、法人を設立したという意識が希薄で、「自分一人だし」「サービス業?だし」と、個人事業として任意加入のケースと勘違いした…と受け取れなくもないです。

2.2 労働保険は雇用者が居るかどうか

先も述べましたが、労働保険は労働者を一人でも使用していれば強制加入です。
これは法人でも個人事業でも同じです。

使用されている労働者を守るためのもので、事業開始とともに自動的に加入したことになり、脱退の自由はありません。

事業主が労災保険の手続きを行ってなくても、労働者は保険の給付が受けられます。
もし、徳井さんの所に雇われている人がいたとしても、徳井さんが何もしなくても労働者としての保険給付は守られていることになります。

労働者を守るためのものなので、労働者を使う立場、すなわち法人の社長・役員は対象となりません。

先も述べたように、この点で、徳井さんが「自分一人の法人だから」と労働保険に入らなかったなら、労働保険だけならセーフの可能性もあります。
ただ、だからといって他の社会保険も入らなくてもいいことにはなりません。

ちなみに。
では、社長や役員なら全く労働保険に守られないかと言えば、そうとも限りません。

自営業でも、タクシーの運転手さんや建設業の一人親方は、現場に出て働いて労働災害を負う危険がありますよね。

中小企業の社長や役員であっても、独立はしててもより大きな企業の下請けで働いていることもあります。

このように中小企業主、上記の自営業者、それから海外派遣者について、労働者に準じて保護されるべき人には、労災保険の特別加入制度というものがあります。

徳井さんのような芸人さんで、労災保険の特別加入に認められるケースはなさそうですが。
(特別加入は、中小企業主などを第1種、自営業を第2種、海外派遣を第3種と区分し、他にはないので)。

笑いを取るのに体を張って、結構危険なことをさせられる場面もあるお仕事かと思います。
非加入どころか、特別加入が出来るように関係機関に働きかけても良いくらいだと思いますよ?

3. 徳井さんの健康保険証はどうなんでしょう?

徳井さんご自身は、税金については「だらしなかった」「怠慢だった」と弁解されています。
こちらもこちらで、ちゃんと税について認識を新たにすべき点だと思います。

さて。
社会保険は、加入を避けて通れません。
そして、ぜっーーーーったい給付の対象になっているのが、医療保険。

徳井さんだって、病気になったら健康保険証を持って医療機関を受診してきたはずです。

徳井さんの場合、自分が働いている法人で医療保険に入っておらず、他にどこの企業にも勤めていなければ国民健康保険だったのでしょうか?

いずれにせよ、企業勤めの人は勤務先の医療保険に、そうでない人は市町村の国民健康保険にと、立場によって医療保険が異なることは、ある程度常識です。

また、年金についてもよく報道されますが。
これも、国民年金だけの自営業と、企業を通じて厚生年金に入るサラリーマンとの違いがあります。

自分の健康保険証を眺めたり、フツーに新聞やテレビのニュースを見聞きしていたりすれば、自営業者か企業勤めかで社会保険の立場が異なることはご存知のはずです。

自分が会社を設立したことで、「あれ?俺、健康保険証とか年金どうなるの?」と疑問に思うべきであったでしょう。

まとめ

私は、関西人なので、吉本の芸人さんには親しみがあります。
2000年前半のM1グランプリも、当時は出産前で時間もありましたし、熱心に見ていました。

チュートリアルは応援していたコンビの一つでしたので、徳井さんのことも、お笑いファンとして好きなのですが…。

たしか、M1では「家電製品」を細かく描写するネタを披露されていませんでしたっけ?
多くの他人の琴線に触れるには、多くの人に身近なネタを細かく観察することが大事なんじゃないかと思います。

無頼派で破天荒な芸人さんもかつてはいましたが。
徳井さんはそういう方向の芸人さんとも異なるタイプに思えます。
ファンや視聴者と同じ目線で社会生活を送っていないと、「日常生活上のできごとで笑いが起きるツボ」をきちんと見抜けなくなってしまうのではないでしょうか。

芸人であるには、まずはキチンとした社会人であることも大事だと思います。

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