人間関係のトラブル、「相手の経済力を示す言葉」の選び方

貧富

相手の経済力を示す言葉はトラブルになりがちです。知人が何の気なしに発した「お金持ち」という言葉で、相手が「傷ついた」とトラブルとなったそうです。一方、私自身がライターとして「庶民」という言葉を使って、お叱りを受けたことがあります。共通するトラブル回避策を再考してみました。

1.「お金持ち」という言葉が招いたトラブル

私の知り合いで、ボランティア団体の主宰者的なポジションの人が居ます。

その団体のメンバーのAさんとBさんとで、お金を出す出さないで、まずはトラブルではなく「譲り合い」があったのだそうです。

よくありますよね。
「ここは私が払うわ」「ううん、私が払う」「いいって、いいって、私が出すから」って、双方でお金を出す役割を引き受けようとする場面。

で。
そのAさんが、ふだんからシャネルとかルイ・ヴィトンとかのハイブランドな服やカバンを身に着ける人だそうで。
実際そういったハイブランドを日常使いできる経済力のある人だそうです。

そこで。
その主宰者的な人も「じゃあ、Aさんにしましょうか。お金持ちだし」と軽~いノリで言ったのだそうです。
(たわいもない軽口だったようです)

ところが。後日Aさんに真剣に抗議されたのだそうです。
「お金持ち、と言われて傷ついた」と。

「お金持ち」という言葉に、ネガティブな意味合いを見つけようにも明確な説明はつかないのですが。
あえて「清貧」という美徳と対比させると、確かに「お金持ち」という言葉で「傷つく」という気持ちは分からなくもありません。

Aさんはご自身でも働いていらっしゃり、それもまた「お金持ち」と呼ばれるのが傷ついた原因なのだとか(親や夫ではなく自身で稼いだ、というプライドなんでしょう)。

うーーーーん。
こうして考えると、Aさんの主張もそれなりに理由はあるのだろうとは思いますが…。
主宰者の知り合いが気の毒なくらいしょげかえってて、こちらもお気の毒。
難しいですね。

2.「庶民」という言葉を使って叱られました

私がファイナンシャルプランナー兼Webライターとして初めて手掛けたのが「不動産売買」関係の記事です。
特に売却利益への課税関係を書きました。

不動産を売却した利益には当然所得税がかかるのですが。
”庶民“には例外があります。

バブル期に土地ころがしで儲けようとした人や投資用マンションを売買しようとする人もいますが。
必要に迫られて自宅を売却し、その売却益で次の住居を買わないとイケナイ人だっています。
後者のような人にまで同じ税負担というのも酷ですよね。

あと、不動産の売買って景気を刺激するので景気対策という意味でも税の優遇があります。

まあ、このようなワケで個人のマイホーム(居住用財産っていいます)の売買には課税の特例があるのです。

このような内容の記事の中で、私は「(これらの特例は)“庶民”には嬉しい税制ですね」と書いたのです。
ところが、日ごろは温厚なクライアント様からかなり厳しくお叱りがありました。
「なんてこと書くんですか!庶民呼ばわりされて不快にならない人なんていません。ご自分が”庶民“って言われたときの気持ちを想像してみてください」と。

へ?
……想像……してみても私は別に気になりませんが? 庶民って言われても。

しばらく首を傾げていましたし、他人にも聞いてみました。
「自分も別に気にしないけど」という人もいたのですが、「ああ、止めた方がいいよ」という人もいました。

庶民という言葉を使わない方がよいという人の説明では。
例えば、自分の趣味を『庶民的な趣味ですね』って言われたらイヤでしょう?」とのこと。
あー、確かにその用例だとムッとくるかも。

でもなあ、プロの文筆業の人だって「庶民」って使ってるんじゃあないでしょうか。
朝日新聞とかにもありませんか?
「自民党政権での税制改正は庶民の財布を直撃するものだ」とかなんとか。
(朝日新聞の記者なら高給取りで、「庶民派ぶりっこ」という感じもしますが)。

これも微妙に難しい話だと今でも思います。

3.対策は、「日本は一億総中流社会」というキーワードの再考か。

私の周囲で「金持ち、庶民と言われて不快だという人の気持ちが分かる」という人は、こういいます。
「日本は一億総中流社会だから、みんな自分のことは中流だと思ってて、それより上だと言われても下だと言われてもイヤなんじゃない?」と。

えー?
「一億総中流社会」なんて死語というか…。
その後、格差社会の拡大について散々論議され、そもそも「一億総中流社会」だと思い込んでいた時代すら格差は存在しており、あったのはただの幻想だけだったのでは?と言われていると思うのですが。

しかし。
その「幻想」は「幻想」だからこそ強固に人々の頭にこびりついているのかもしれません。
事実としてはともかくも、人間関係のトラブルを避けるには再考を要するキーワードと言えるかも。

私も自分を中流だと思う一方で、「金持ち」「庶民」と呼ばれて不快になるツボはちょっと分かりづらい人ですが…。
とりあえず、中流より上か下かと指し示す言葉は使わない方が無難そうです。

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